Tシャツ選びで持つべき7の視点 Vol.2
2018.07.21
FASHION

大人こそ格好良く着れる! ヴィンテージ・モーターサイクルTシャツの魅力

Tシャツ選びで持つべき7の視点
夏の必須アイテム、Tシャツ。当たり前に着てるけど、それを心から楽しめているかと聞かれて、自信を持って「YES!」と言える人って少ないのでは?
シンプルなだけに奥深いTシャツをもっともっと楽しむための7の視点を紐解こう。
第3回は「モーターサイクルTシャツ」。

それは「反骨」の象徴なのか、「自由」の代名詞なのか、ヴィンテージのモーターサイクルTシャツには、オーシャンズ世代の心に刺さる秀逸デザインなアイテムが数多く存在する。

その魅力を語ってもらったのは、ライダースジャケットの雄・ルイスレザーの世界的コレクターとして知られ、レザーブランド、 アディクトクローズジャパンのオーナーデザイナーの石嶋聡さん。彼曰く「黒ボディのレタード系がいちばん格好良い」。それってどんなTシャツ?

若かりし頃から、ロックTよりもモーターサイクルTに魅力を感じていたという石嶋さん。1枚3〜4万円する稀少なヴィンテージも多く所有する。

モーターサイクルTシャツは“アメリカ&ハーレーもの”が基本

古き佳きバイクカルチャーに魅せられてルイスレザーのライダースジャケットを収集。それが高じて石嶋さんが英国のヴィンテージライダースやオイルドジャケットに特化したショップ「アディクトクローズ」を始めたのは2006年のこと。

そんな英国ヴィンテージに誰よりも精通している石嶋さんが愛着のあるTシャツに挙げるのは、意外にも「アメリカもの」だという。

「イギリスには昔からプリントTシャツという概念が根付いていないんですよ。だから手元にあるモーターサイクル系のTシャツはアメリカのものがほとんど。やはりハーレーが中心になるのですが、好きなのは、ロゴを全面に押し出した“いかにも”なデザインではなくて、ユニークなメッセージやシンプルな書体を使ったレタード系。今の歳になって着ても格好いいんですよ」。

特に1970~’80年代にかけて作られた「バイクショップのブート(勝手に作ったオリジナルデザイン)が面白い」という。

石嶋さんのコレクションは、1970~’80年代頃までのバイクショップのブートものがほとんど。「ブートにこそいいデザインが多かったのですが、権利の規制が厳しくなってからはほぼ見られなくなりました」。

ハーレーのTシャツというとオレンジの色使いやイーグル&シールドのロゴを連想するけれど、こうしたヴィンテージには、モノトーンがベースのシンプルデザインがたくさんあるのだ。

 

理想は「黒ボディ」と「ポケットにかかったプリント」

これらヴィンテージのモーターサイクルTシャツを選ぶ際は、黒ボディであることとポケットが付いていることも大きなポイントになるという。

「ベターなのは、洗練された書体やプリントがポケットにもかかっているデザイン。モーターサイクル系のブートのTシャツにはよく見られるんですが、ポケット部分のプリントのズレがアクセントになって見た目にも面白いですし、この時代特有の味があるんです。一点物に近い魅力ですね」。

では、石嶋さんこだわりのコレクションはどんなものか。ひと言コメントともにお届けしよう。

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「お馴染みのスカルウィング& ヌードモチーフも、オリジナルのイラスト風にアレンジされたものだと印象が違いますね。赤基調のプリントがメジャーなのに対してイエロープリントなのも珍しい」。
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「これは聖書をモチーフにしたポケT。ハーレーっぽさがまったく感じられない(笑)。書体やプリントのバランスもスタイリッシュです」。
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「HONDAやKAWASAKIをハーレーが握りつぶしているというグラフィック。’70年代頃にはこういう直接的なメッセージも多かったです」。
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「これも日本車に対する痛烈なメッセージが書かれたもの。“パールハーバー”という皮肉が効いてます」。
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「英国BSAのロゴが入った珍しいもの。恐らくこれはカナダのディーラーが作ったもの。’60年代にはアメリカやカナダでも英国車がたくさん走っていたんですよ」。
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「モノトーンでポケット付き。しかもレタードのプリントがポケットまでかかっている。こういうデザインが個人的にはベストです」。
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「でも状態もデザインもいいヴィンテージは、ほぼ見かけなくなってしまったので、いまは理想のモーターサイクル系Tシャツを自分たちで作っています。シルエットは着丈も袖もちょっと短め。それがいちばん着やすいですね」。

石嶋さんのこだわりを詰め込んだオリジナルTシャツ

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back 「これはアディクトクローズのオリジナルで去年作ったもの。自分たちの好きなモーターサイクル系Tシャツの要素をすべて入れて作っています。大人でも無理なく着れますよ」。

オーバーサイズのTシャツやロックTが盛り上がる中で、石嶋さんがモーターサイクルTシャツに魅せられ続けるのにはワケがある。

「モーターサイクルTがトレンドの中心になることは絶対にないですが、人ともほとんど被りません。それに、ヴィンテージのものはよく見るとメッセージが面白かったり、モチーフが強烈だったりと洒落の利いたデザインが楽しめるんですよ。それは、限られた時代のモーターサイクルカルチャーの中のみで成立した表現だと思うんですよね」。

[話を聞いた人]

石嶋 聡●いしじま さとし 40歳
20代の頃からルイスレザーのライダースやヴィンテージのヘルメットなど、英国モーターサイクルカルチャーに纏わるヴィンテージアイテムを収集。28歳で「アディクトクローズ」をオープンさせ、現在は世界中に顧客を持つ。

[ショップデータ]
アディクトクローズ
住所:東京都新宿区四谷4-24-26 御苑ハイム1階
電話番号:03-5341-4767
営業:13:00〜20:00(土・日曜は12:00から)月曜定休
http://addict-clothes.com/

 

長谷川茂雄=取材・文

# Tシャツ# バイク# モーターサイクル
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