ブランド、デザイン、はき心地、素材、加工、値段、etc.……デニム選びのポイントはいろいろだけれど、何にせよ妥協してはいけないのがシルエット。というわけで、シルエットが評判を呼んでベストセラーとなった名作7本を紹介する連続企画。
今回は、今年で10周年を迎えた裁断バサミがアイコンのデニムブランド、デンハムの「レイザー」。
デンハムのレイザー
ひと言で言えば「神スリムフィット」
群雄割拠のデニムシーンにあって、近年、最も勢いに乗っている存在といえば、今年で10周年を迎えたデンハムだろう。歴史こそ浅いものの、今では老舗や大手メーカーとも肩を並べる人気ブランドへと急成長を遂げている。
この快進撃の原動力となっているのが、そのアイコンである裁断バサミが示すとおりの巧みなカッティングだ。2014年のデビューよりナンバーワンセールスを続けているスリムフィットモデル「レイザー」は、その象徴である。余分なモタつきが削ぎ落とされた、まさにカミソリのごとく切れ味のシャープなシルエットには、脚線を長くキレイに見せてくれる効果も。
さらに日本製のセルビッジデニムを採用したタイプなど、さまざまな趣向に応えるバリエーションが用意されているなか、世界一のストレッチデニムとも謳われるイタリアの高級デニム地メーカー、カンディアーニ社の素材が使われたこちらの1本は、目の肥えたこだわり派から特に評判がいい。
FRONT SIDE
本格デニムのタフさやコシを残しながら、弾力の強い十分な伸縮性も併せ持ち、研ぎ澄まされたタイトフィットといえども窮屈感は皆無。加えてデザイナーのジェイソン・デンハムはヴィンテージコレクターとしても知られる人物だけに、リアリティ溢れるエイジング加工も実に完成度が高い。ヤセ我慢することなく大人が楽しめて、けれどもスタイリッシュにキマり、デニム本来の趣や男クサさもしっかり残す。すべてを兼ね備えた、神がかり的な逸品だ。
街男ユースケと海男マーシーはデンハムのレイザーをこうやってはく!
街男ユースケの場合「“大人のアメカジ”大正解」
アイテム選びと配色は奇をてらわず、とことんベーシックにまとめる。そしてデニムシルエットを今っぽいシルエットにしたのが正解。これでデニムが太かったり、丈が長いと途端にジジ臭くなる。
海男マーシーの場合「安心感があるのに新鮮な理由」
ミッドカットのワラビーブーツと自然なクッションがある裾のバランスが好き。ウインドブレーカーと明るい色のTシャツは春のマーシーヘビーローテーション。ネイビーと灼けた肌に相性がいいライムグリーンは春の注目色だ。
デンハムが作ったニューシルエットモデル
久々に太めにトライしたい人向けのリラックスフィット
上で紹介した「レイザー」と同じく、2014年からの定番シルエットである「フォージ」。その今季最新加工がこちら。デンハムの5ポケットの中で最も太めに位置づけられ、ワイドパンツの流行を追い風に注目度がアップ。とはいえ極端なバギースタイルとは違い、裾へと少しテーパードするリラックスフィットなので、ルーズデニムに臆しがちな君でも安心。
岡田 潤(BE NATURAL)=写真(人物) 山本雄生=写真(静物) 石黒亮一=スタイリング yoboon(coccina)=ヘアメイク