コーディネイトをビシッと締める定番色と言えば、やはり「黒」。使い勝手は抜群にいいけれど、ひとつ気になることがある。それは、春という季節との相性。シンプルに羽織るだけでは、若干重くなるのは否めない。ではどうすればいいのだろう?
その解を求めて街へ出てみたら、実にカジュアルに、そして親しみやすい“柔らかい”イメージに仕上げているオッサンたちの姿があった。
そうか、キメすぎない黒の装いこそ、僕らに必要なニュアンスなのだ。いい歳になったら目指したい「柔らかな黒コーデ」の数々をご覧あれ。
津野崎 雅さん(40歳)コートのエアリー感とくるぶしから覗く肌色が、オールブラックを優しく見せるコツである。
長尾幸一さん(42歳)コートの下に突然「白」ではなく中間のライトグレーのカーディガンを挟んだのがテクだ。
水野雄太さん(31歳)コートにスウェットパーカを合わせるアスレジャースタイルも、黒とグレーでとびきりシックに。
横井一明さん(54歳)モードとエレガンスが融合した超優良モノトーンコーディネイト。アウターのサイズ感に遊び心を、インナーのニットの下に白Tを覗かせメリハリを、パンツのシルエット&レングスには清潔感を、と枝葉末節まで完璧なこなしが見られる。隣に並ぶパートナーも含めて、黒い服と大人のいい関係ベスト・オブ・ベストである。
畠山大悟さん(30歳)オールブラックのスニーカーは、この手のスタイリングに不可欠なアイテムなのである。
川口幸太さん(36歳)黒でベースを作り、ツイーディなグレーのフィールドコートで軽さを加えている。
従来の黒い服とは異なるイメージのアウトドア系アイテムを使う、オールブラックにポイントカラーを使う……。盗みたくなるワザがここにある。今年の春は、あえての”黒”。そんなアイデアもまた、面白そうだ。