2019.01.26
FASHION

ファッションのプロが声を揃えて「いい!」と言うレショップの正体

いいモノとのいい出合いが待つ店はどこにある? ググれば数万の検索結果が出てくるが、「選べないし時間もないし」というのが大人の本音。で、頼りになるのはやっぱり生の声。ファッションのプロに聞きました。「あなたの好きな店ってどこですか?」。

東京・青山に“ファッション業界のプロショップ”と言っても過言ではない店がある。その名は「L’ECHOPPE」(レショップ)。

今回の特集で、オーシャンズがファッション業界のプロたちに実施したアンケートでも、「30〜40代にオススメしたいショップ」の項で最も多く名が挙がったショップだ。

「服の楽しみを思い出させてくれる」「刺激的な出合いがある」「別注がスゴい」などなど、その道のプロが惜しげもなく示す賛辞の数々。

青山の人気店「レショップ」。天気のいい日は店先にも洋服が並ぶ。

では、何がそこまで彼らを虜にさせるのか、改めてアンケートの回答者たちにその理由を深掘りしてみた。


証言①「ここに行くと洋服偏差値が上がるんです」

エディフィスやジャーナル スタンダードを手掛けるベイクルーズの取締役で、デニムを軸とするリメイクブランド「ボナム」のディレクターも務める森 秀人さんは、レショップの魅力をこう語る。

「今のメンズ業界はブランドバリューが支持される傾向が強くて、どの店もセレクトしているブランドが同じになりがちなんですよ。だから、新しいブランドに出合える機会がなかなかない。でも、レショップにはほかにはない、いいブランドが並んでいます。

そんなアイテムたちを見たときに“世界にはまだまだ知らないファッション”があるんだなぁと、43歳になった今でも改めて気付かされますね。レショップは洋服偏差値を上げてくれる数少ない店だし、ワクワクも待っている。シーズンの立ち上がりには必ずチェックします」。

ニューヨークを拠点に活動するテキスタイルアーティスト・南義之氏よって設立されたブランド「マノニク」のコート。職人が最高の素材でハンドメイドするコートはまるで芸術品。レショップではこうしたホンモノ志向のアイテムが並ぶ。


証言②「いつも別注品にヤラれるんです」

「アウトドアプロダクツのビッグ・デイパック、フレッドペリーのアーカイブスキッパーポロ、グラフペーパーのシャツなど、レショップの別注には毎回ビックリする。完成した姿を見れば“なるほど〜”となるんですが、玄人好みな手の入れ方をするんですよ」。

そう語るのは、人気セレクトショップのディレクターを経て、 現在はフリープランナーとして活躍する中根吉浩さんだ。なかでも、レショップの屋台骨を担うバイヤーの存在は大きいのだとか。

「バイヤーの金子恵治さんは、巷のバイヤーとは感覚と経験値が圧倒的に違います。不特定多数には媚びず、お客さんのことを何よりも優先する。それがレショップにしかないラインナップ、レショップにしか作れない空間を演出するんだと思います」。

レショップ別注、アウトドアプロダクツのビッグ・デイパック。大きさはなんとレギュラーサイズの約1.7倍!
思いつきそうで誰も思いつかないアレンジで大ヒットアイテムに。各1万7800円(レショップ 青山店 03-5413-4714)


証言③「同業者が嫉妬する存在じゃないですか?」

アパレルやライフスタイルブランドのディレクションを生業とするファッションディレクターの髙橋雄介さんは、独特な表現で最大限の賛辞を送る。

「店に入ったときに視界に飛び込んでくる商品の振り幅がものすごい。これをまとめている金子さんは、いい意味で狂っています(笑)。

トレンドにとらわれることなく、見たことも聞いたこともない商品を扱う。そんな大胆で自由なセレクトは、レショップにしかできないと思います。同業者が嫉妬する唯一無二のショップじゃないですかね」。

髙橋さんが「商品の振り幅がものすごい」と讃える店内。その大胆で自由なセレクトは、同業者が嫉妬するほど。


証言④「いい服だけじゃなく、いいスタッフまでいるんです」

「レショップにはいい服がある。っていうのは当たり前なんですが、会いに行きたくなるいいスタッフもいるから通っちゃうんです」。

と話すのは、自身でパンツブランド「ニート」を手掛ける西野さん。かつては某大手アメトラブランドでPRを担当していただけあり、メンズファッションの基本をよく知る存在だ。

「ウェブで買える服も多くなってきましたが、実店舗ならではの魅力は人との会話だと思うんです。レショップに行くと、ブランドの情報や“ここだけの話”みたいなことも教えてくれるので、こうしたやり取りも楽しいんです。なかでも店長の古明地さんにはいつも刺激をもらってます。着こなしのバランスなど、本当にハッ!とする指摘をされますから。あー、話してたらまた行きたくなってきた(笑)」。


レショップの店長・古明地拓郎さん。「笑顔が苦手」だそうだが話すと愛嬌があり、とても好感が持てるナイスガイ。

それぞれが語るレショップの魅力は4者4様。だが、共通していたのは「バイヤーの金子さんがスゴいよね」という声。では金子さんってどんな人なのよ? 直撃してみた。


証言⑤「人との“出会い”が等身大のセレクトを生んだんです」

「レショップ」バイヤー・金子恵治さん
エディフィス、ETS.マテリオのバイヤー経験を経て、2015年4月に「洋服の惣菜屋」をテーマにレショップを立ち上げる。趣味ではオフロードを走破する自転車競技・シクロクロスにのめりこみ、トレーニングからレースまで幅広く楽しんでいる。

「昔は誰も見たことがないアイテムをバイイングするぞ!って気持ちもありました」と金子さんは、オープンした2015年当初を振り返る。

「でも、今は違いますね。日常生活での“出会い”をカタチにしています。個人的なつながりをきっかけにコラボレーションが実現したり、昔の同僚と商品開発をしてみたり。力を抜いて考えていることがカタチになっている感じでしょうか。

自分にとって等身大のアイテムを揃えるようになって、いい意味でアクが抜けたのかも。自然とお客さまの幅も広がっているんですが、それもたくさんの人たちとのつながりを大切にした結果。出会いが積み重なって今のレショップがあると思っています」。

聞けば、レショップで現在進行中のプロジェクトは、耳を疑う異色のコラボレーションだった。詳細はまだ明かせないが、金子さんに対するアパレル業界の信頼度の高さが、そのままレショップの躍動に反映されていると言っていい。


今年でオープン4年目に突入するレショップ。その勢いは落ち着きを見せるどころか、ますます加速していく。進化の過程を体感しないなんて、もったいないと思うのだ。


レショップ 青山店
東京都港区南青山3-17-3
03-5413-4714
11:00~20:00

谷本春幸=取材・文

# レショップ
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