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2025.03.24

ファッション

アシックスウォーキングの最新シリーズ「ゲルビズ」を徹底解剖!もっと歩けて、装えるレザーシューズ

3月下旬にローンチした、次世代のビジネスパーソンのための革靴「GEL-Biz」。ドレッシーなフォルムの「オーセンティック」(左)と、ゴアテックスのファブリクスを使用した「ラギッド GTX」(右)という2つのラインで展開する。左から1万9250円、2万6950円/ともにアシックスウォーキング(アシックス商事 0120‐777‐591)

3月下旬にローンチした、次世代のビジネスパーソンのための革靴「GEL-Biz」。ドレッシーなフォルムの「オーセンティック」(左)と、ゴアテックスのファブリクスを使用した「ラギッド GTX」(右)という2つのラインで展開する。左から1万9250円、2万6950円/ともにアシックスウォーキング(アシックス商事 0120‐777‐591)


一見したところはオーソドックスなデザインの、上質なマテリアルを使った革靴。しかしながらこのシューズ、実はアシックスが誇るクッション素材「GEL(ゲル)」を搭載しているという。

リサーチ段階から実に3年の歳月を経て、満を持して今季デビューを果たした、アシックスウォーキングの「GEL-Biz(ゲルビズ)シリーズ」。

この靴の履き心地の秘密と、我々好みの装いとのマッチングについて紐解く。
OCEANSとForbes JAPANのブリッジ企画による「WALK with STYLE.」
Forbes JAPANの記事はこちらから。
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ルーズなスーツを“逆に”ハズす、王道のストレートチップ
「オーセンティック」

各1万9250円/アシックスウォーキング(アシックス商事 0120‐777‐591)

各1万9250円/アシックスウォーキング(アシックス商事 0120‐777‐591)


「オーセンティック」はその名のとおり、あらゆるシーンに対応するベーシックなデザインが魅力だ。冒頭写真の左のモデルと合わせて全4型をラインナップする。

当然ながらビジネスシーンにベストな革靴。加えてこんな遊び心あるスーツにも意外なほど良く似合う。

靴1万9250円/アシックスウォーキング(アシックス商事 0120-777-591)、ジャケット15万4000円、パンツ7万4800円/ともにカズキ ナガヤマ (スタジオ ファブワーク 03-6438-9575)、シャツ4万4000円/ヘリル(にしのや 03-6434-0983)

靴1万9250円/アシックスウォーキング(アシックス商事 0120-777-591)、ジャケット15万4000円、パンツ7万4800円/ともにカズキ ナガヤマ (スタジオ ファブワーク 03-6438-9575)、シャツ4万4000円/ヘリル(にしのや 03-6434-0983)


太くモダンなシルエットのパンツに、最もドレッシーとされる、黒の表革のストレートチップを合わせる。その妙味を堪能あれ。
3/5

ブルーデニム × 黒のシボ革で表現する大人のアメカジ
「ラギッド GTX」

各2万6950円/アシックスウォーキング(アシックス商事 0120‐777‐591)

各2万6950円/アシックスウォーキング(アシックス商事 0120‐777‐591)


ゴアテックスのファブリクスを使用した「ラギッド GTX」も、「オーセンティック」と同じく全4型を展開。

外羽根のUチップとプレーントウで、それぞれシボ革とグレインレザーが用意されている。

靴2万6950円/アシックスウォーキング(アシックス商事 0120-777-591)、ブルゾン10万1200円/シュタイン(エンケル 03-6812-9897)、シャツ3万5200円/アンセルム 086-250-4893、デニム1万5400円/リーバイス(リーバイ・ストラウス ジャパン 0120-099-501)

靴2万6950円/アシックスウォーキング(アシックス商事 0120-777-591)、ブルゾン10万1200円/シュタイン(エンケル 03-6812-9897)、シャツ3万5200円/アンセルム 086-250-4893、デニム1万5400円/リーバイス(リーバイ・ストラウス ジャパン 0120-099-501)


色は潔くすべて黒。カジュアル服全般に難なく合うデザインだが、まずはブルーデニムに合わせて、この靴のラギッドな味を楽しんでほしい。

今の気分にマッチした、大人のアメカジが完成する。
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履き心地の秘密は靴型と「GEL」テクノロジーにあり

「GEL-Biz」がなぜ“もっと歩ける”のか。その理由を探るために、神戸のアシックス商事本社を訪れた。

そこで目にしたのは最新のテクノロジーと、靴作りに懸ける社員たちの情熱であった。

アシックスウォーキングの革靴を一手に生産。前身の弘吉商事は1955年に創業。神戸のシューズメーカーに資材を供給する商社として、鬼塚株式会社(現アシックス)と取引していた。現在はアシックスの100%子会社である。

アシックスウォーキングの革靴を一手に生産。前身の弘吉商事は1955年に創業。神戸のシューズメーカーに資材を供給する商社として、鬼塚株式会社(現アシックス)と取引していた。現在はアシックスの100%子会社である。


神戸市須磨区弥栄台。アシックス商事の本社は、陸上競技場やスタジアムのアクセス駅として知られる地下鉄「総合運動公園」駅の近くにある。訪問の目的はずばり、「GEL‐Biz」誕生の経緯だ。

「そもそも『GEL』とは、1986年にアシックスの研究所が開発した素材です。ソフトシリコンを樹脂フィルムに封入した『αGEL』が、衝撃緩衝材としてランニングシューズのミッドソールに搭載されました」(ブランド戦略チーム・鈴木徹さん)。

現在も進化を続ける「GEL」テクノロジーであるが、実は開発から程なく、同社の革靴に「αGEL」が採用されている。90年のことだ。つまり「GEL」搭載のノウハウの歴史は長く、採用モデルも多数リリースされている。

では今回デビューを果たした「GEL‐Biz」は、これまでの革靴と何が違うのだろうか。

「見た目の良さと機能の両立、そしてグッドプライスの実現です。リサーチは2022年から開始。アシックスのスニーカーで既に『GEL』の存在を知っている、若い世代へ向けた革靴なんです」(鈴木さん)。

いわばアクティブな大人のための“もっと歩ける”革靴なのだ。15年に登場し、発泡させることで大幅な軽量化を実現した「fuzeGEL」を採用する。これを足裏全面に配置している点が、「GEL‐Biz」の機能面における最大の特徴だ。

「GEL-Biz」のソール。つま先から踵まで足裏全面に「fuzeGEL」を搭載する。アシックスのビジネスシューズ史上、最大容量の「GEL」を使用。外周はラバーで覆われ、外観からそのテクノロジーをううがい知ることはできない。

「GEL-Biz」のソール。つま先から踵まで足裏全面に「fuzeGEL」を搭載する。アシックスのビジネスシューズ史上、最大容量の「GEL」を使用。外周はラバーで覆われ、外観からそのテクノロジーをううがい知ることはできない。


「GELの分量や位置、その組み合わせを変えて、4パターンのソールを試作しました。通常、新ソールの開発にかける時間は半年ほど。ですが『GEL‐Biz』に関してはその3倍、およそ1年半という時間をかけました」(ライフスタイルウォーキング企画チーム・黒田大翔さん)。

「GEL」テクノロジーと同様、いや、むしろそれ以上に重要なのが靴型の開発だ。「GEL‐Biz」には2つのラインがあり、それぞれ異なる靴型を使用する。

「オーセンティック」はつま先がやや長めの都会的な靴型。「ラギッド GTX」は丸みを帯びたいわゆるエッグトウで、いい意味で武骨なイメージを醸し出す。

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「GEL-Biz」の靴型2型を製作した倉本尚幸さん。鉛筆の影を靴型に落とし、滑らかな曲面が実現できているかを確認する。入社8年目、手作業の靴型作りを知る世代だ。

「GEL-Biz」の靴型2型を製作した倉本尚幸さん。鉛筆の影を靴型に落とし、滑らかな曲面が実現できているかを確認する。入社8年目、手作業の靴型作りを知る世代だ。


「以前は手作業で靴型を削り出していました。木材に型紙を転写し、電動ノコギリで成形して、ヤスリで仕上げる。

でも今はCADで精密に設計して、3Dプリンタで仕上げます。甲とトウが滑らかにつながっていて、かつ、メリハリのあるフォルムを目指しました」(技術チーム・倉本尚幸さん)。

倉本さんいわく「コロナ禍を経て、テクノロジーが一気に加速した感があります」。以前は手作業で削り出していた靴型も、現在では3Dプリンタにより、圧倒的な速さで完成にいたる。

倉本さんいわく「コロナ禍を経て、テクノロジーが一気に加速した感があります」。以前は手作業で削り出していた靴型も、現在では3Dプリンタにより、圧倒的な速さで完成にいたる。


3Dプリンタで製作した靴型を、3Dスキャナーでスキャニング。長さ、幅、足囲、甲の高さから踵の幅まで、あらゆる部位のサイズが即座に数値化される。以前は手作業で採寸していたのだとか。

3Dプリンタで製作した靴型を、3Dスキャナーでスキャニング。長さ、幅、足囲、甲の高さから踵の幅まで、あらゆる部位のサイズが即座に数値化される。以前は手作業で採寸していたのだとか。


履きやすく歩きやすいのは大前提。そのうえで装いに美しく馴染む「GEL‐Biz」の靴型には、ファッションの視点も十分に反映されている。

「感度の高いセレクトショップのバイヤーさんにも、たくさんの意見を伺いました。オケージョンを選ばず、かつスタイリッシュに見える靴型ができたと思います。

お客様が手に取ったときに『いいな』と思ってもらえたら、本当にうれしいですね」(プロダクト戦略チーム・西川雅俊さん)。

最新のテクノロジーと、長年培ってきた靴作りのノウハウ。そして今の革靴に求められる時代性。その3つが融合して「GEL‐Biz」という新たな靴が生まれたのだ。

素材の強度をテストする専用のメカ。アッパー用のレザーをはじめ、試験室ではさまざまな素材が日々“引っ張られて”いる。もの作りとは地道な作業の積み重ねにほかならない。

素材の強度をテストする専用のメカ。アッパー用のレザーをはじめ、試験室ではさまざまな素材が日々“引っ張られて”いる。もの作りとは地道な作業の積み重ねにほかならない。


加えてもうひとつ西川さんが教えてくれた“工程”も、「GEL‐Biz」誕生の重要なピースだと感じた。

「新しい靴ができると、その靴型に近い足の社員がフィッティングします。『つま先が当たる』『幅が広すぎる』など、あれこれ注文……いや、製品のために忌憚のない意見をぶつけてくるんです(笑)」。

靴に携わる誰もが同じ方向を向いている。真摯なもの作りとはつまるところ、こういうことなのである。
[問い合わせ]
アシックス商事 お客様相談室
0120‐777‐591
https://walking.asics.com

太田泰輔、斎藤大地、川西章紀=写真 松平浩市=スタイリング 勝間亮平=ヘアメイク 加瀬友重=編集・文

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