ワイン×ホワイトのストライプシャツとブルーデニムに、ブランドを象徴するネイビージャケットを。全身をポロ ラルフ ローレンで揃えた、王道のアメリカントラッド。鮮やかな色使いと端正なジャケットが、デニム姿を品良く華やかに仕上げる。デニム4万5100円、ジャケット13万7500円、シャツ2万7500円、ベルト参考商品/すべてポロ ラルフ ローレン(ラルフ ローレン 0120-3274-20)
俳優の仕事も経験の積み重ねであり、デニムでいうところの“エイジング”がある。その人が過ごしてきた時間が、表情となって繊細に刻まれていく。
「これまでのキャリアはもちろん、学生時代など俳優業を志す前も含めて、すべての人生経験が今の活動に活きていると思っています。今の自分を形成する要素として、意味のないことはひとつもないと感じています。自分にインプットできたものが多ければ多いほど、人間性が豊かになり、俳優としても深みが生まれるんだろうなと」。
カリスマギタリストやトップレベルの競技ダンサー、半グレグループのリーダー、フリースクールの教室長……。これまで作品を通じて、多くのキャラクターの人生を生きてきた。経験の蓄積に伴い、課題への対応力も増し、できないことも減っていきそうなものだが「確かにそうなんですが」と理解を示しつつも、どうやら芝居とはそう単純ではないらしい。
「理解できたと思えば思うほど、疑いの気持ちがどんどん強くなっていくんです。自分がわかっていることがはたして正解なのだろうかって。演技や役柄に対する解像度が上がっていくぶん、選択肢も増えるので、余計に同じ数だけ悩みも増えるというか。以前と比べて悩みの質が変わってきているように感じます」。

知れば知るほどわからなくなる。選択肢が増えれば悩みも増えるという意味では、冒頭の正解のない“デニムに白T”と、どこか重なる。そこで最後に、町田さんにもひとつ禅問答を。お題は「デニムは、◯◯だ」。自身にとってのデニムはどういう存在なのか。
「なんだか大喜利みたいですね(笑)」と言い、ひねり出した答えは“出会い”。「人でも物でも、びっくりするような出会いがたくさんあるんです」と言い、身近なエピソードを披露してくれた。
「あるブランドでお仕事をさせてもらったときに、デニムジャケットをいただいたんです。気に入ったのでよく着ていたんですが、ある日、先ほどお話しした『育っちゃった』デニムと合わせてみたら、色みも生地感もまったく一緒でびっくり(笑)。まるで最初からセットアップで売っていたかのよう。こういう思いがけない出会いをデニムが運んできてくれているような気がします」。
正解がないからこそ悩み、選び、時に思いがけない出会いに恵まれる。デニムも俳優という仕事も、きっとその繰り返しなのだろう。そんななか、OCEANSでは今回の撮影を通じてひとつの明確な答えに出会った。それは町田啓太さんのデニムスタイルは、最高に格好いいということだ。
町田啓太●1990年生まれ。群馬県出身。俳優として映画やドラマ、舞台などで幅広く活躍。2025年にはNetflixシリーズ「グラスハート」でカリスマギタリスト・高岡尚を好演。26年はNetflixシリーズ「九条の大罪」に出演したほか、日本テレビ系ドラマ「タツキ先生は甘すぎる!」で主演を務めた。
OCEANS11月「デニムは、人だ。」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!