創業100年で閉店した酒屋を受け継ぐ角打ち 立ち飲み「オオノヤ101」、地酒屋「oonoya101 」

昨年惜しまれながらも、100年という節目で幕を閉じた浜勝浦の老舗酒屋「大野屋」を継承し、7月25日(土)に開業したばかり。101年目からの記念すべきスタートを冠する店名は角打ちの立ち飲みが「オオノヤ101」、地酒屋が「oonoya101 」。
カウンターには鹿児島出身で学生生活を東京で送り、3年前にJターンで勝浦へ移住した山下菜々さんが立つ。世代や地域ギャップをものともせず、地元民から移住者へ“継承”のバトンが渡されている。
「oonoya101 / オオノヤ101」
住所:千葉県勝浦市浜勝浦320-2 1F
@oonoya101 勝浦唯一のローカル色溢れるクラフトビール醸造所 「スリラービーチブルワリー」

「スリラービーチブルワリー」のファウンダー笠倉大二郎さんは東京都内でパッケージ製造業に携わっていた。そのノウハウを横展開できればという思いで、サーフトリップで馴染みのあった南房総を拠点にハッピーに呑めるクラフトビールの醸造所を構想。
問題は大量の水を使用するブルワリーならではの廃水。「今もって好きでサーフィンを続けているし、新参者が来て海を汚したくなかったので、大きな浄化槽のある施設がないか地元の方々に相談していたんです」。

朗報が届いたのが2023年。1980年代までは映画館「勝浦公楽館」、1995~2019年にかけてパチンコ店「ニューカツウラ」が営業していた不動産を紹介してもらえ、稼働に漕ぎ着けられた。
笠倉さんたち移住者はこぞって、勝浦の街でのような寛容で温かみのあるセレンディピティな巡り合わせは、ほかの地では考えられないと口にする。
「スリラービーチブルワリー」はローカル色がアイデンティティ。千葉県産ピーナッツをふんだんに使った“ピーナッツバターヴァニラミルクスタウト”や大多喜町産ヒノキを香らせた“ヒノキ森の賢者”などなど、勝浦の土地柄と房総の風景がフレーバーの主役だ。
ブリューパブを毎週金曜日16:00〜19:00と土曜日14:30~19:00にオープン。その場で呑めるタップには全ラインナップの内6種で、Mサイズ(約250ml 850~900円)、Lサイズ(約450ml 1100~1200円)、3種飲みくらべ(1200円)が用意されている。
「THRILLER BEACH BREWERY」住所:千葉県勝浦市勝浦11-1
電話番号:0470-64-4560
tbbrew.net セルフビルドのアートフルな多目的キャンプ場 「ブラック ラムズ」

JR勝浦駅エリアから伊南房州通往還を房総丘陵東部のなだらかな里山へ、夕陽が眩しい貝掛方面に登っていくと、ボヘミアンなアートやモニュメントにフィールドアスレチックが突如見えてくる。
このスポットはゼネコンをドロップアウトしてまで、子育ての環境を最優先し、2020年に都内から移住した齋藤祐之介さんがパートナーでフラダンス講師の侑奈さんとオーナーを務める、ブリトーのキッチンカーあり、バンガローありのキャンプ場「ブラック ラムズ」だ。
元は野菜直売所だったそう。そこを整地や造成を含め、「スパイダーウェブ」と名付けたカラフルなネットクライマーやコンビネーション遊具、3 on 3バスケットコート、スケートランプといった敷地内のファシリティーはすべて齋藤さんのD.I.Y!
「ブラック ラムズ」のそこかしこに点在するアートワークは、アーティスト名・ZENSISTとしても活動している齋藤さんによるもの。
余す所なく精力的になれるのは本人自身サーフィンをとおして、勝浦と親交を深めていたことがシナジーだろうか。しかも、子供はいつでもフリーで遊べる包容力半端ない経営方針。

「東京で子供を育てていたときと今を比べて、どちらが正解かはまだわからないんですけど、情報過多のわりに人同士の距離感が遠い都心とは全然違い、ローカルの方々は大らかな親密さで接してくれるんです。それが僕たちファミリーにとって、すごく居心地がいい」と齋藤さんは終始笑顔。
勝浦はインフォデミックなんて露知らず、図らずもナチュラルにスローシティを実践している。それがまさしく移住者たちに実り多い所以なのかもしれない。
勝浦漁港で水揚げされても大分は未利用魚に仕分けされてしまうシイラをフライにしたマヒマヒブリトー(900円)と、シーフードに相性のいいハワイアンサンのグアバネクター(400円)。