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マイベスト③ 見晴屋の「冷やし中華」 


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最後に紹介するのは全国屈指の酷暑エリアである埼玉県深谷にある「見晴屋」。昭和45年創業の老舗で、長年にわたり地元民の胃袋を満たしてきた蕎麦・うどん店である。

蕎麦やうどんだけではなく、ラーメンやご飯ものまで幅広く取り扱っている“近所にあったら助かるお店”なのだ。地元からの支持は確かなもので、到着時に外待ちが発生していた。

外観も以前訪れたときから一新されており、一瞬違う店なのではないかと勘違いしてしまった(笑)。
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そんな見晴屋だが、ひとたび夏を迎えると多くの客が目当てとする名物の「冷やし中華」が提供される。

この写真を目にして、多くの方が「随分とボリュームがあるな」と感じたのではないだろうか。だが、それは決して錯覚ではない。実物もまた圧巻のボリュームを誇っており、写真がその存在感を誇張しているわけではないのだ。むしろ、実際に目の前にするとその迫力は想像以上である。

「冷やし中華」ごまだれ味。

「冷やし中華」ごまだれ味。


まるで広大な武蔵野の平野に現れた見事な独立峰だ。錦糸卵を頂に据え、野菜や具材が幾重にも積み重なったその姿は、もはや壮観のひと言に尽きる。

見た目だけのインパクトで終わらないのがこのメニューの素晴らしいところ。特に自家製麵の完成度が白眉だ。



すすり心地は実に軽快。それでいて程よい弾力とのびやかさも備えている。麺そのものの完成度が非常に高く、ひと口味わいごとに卓越した製麺技術の片鱗が窺えるのだ。

きゅうりや中華くらげなどの食感のコントラストも秀逸である。さらに多彩な具材が織りなす味わいはひと口ごとに変化を見せ、食べ進めるほどに新たな発見をもたらしてくれる。

さっぱり定番の醤油ベース。

さっぱり定番の醤油ベース。


タレは醤油とごまだれの2種。さっぱり感を取るか、コクを取るか、店頭で是非迷っていただきたい。

なお、提供は9月頃までとのこと。暑いうちは提供されるようなので、この冷やし中華に魅せられた方は2回目の訪問をしてみてはいかがだろうか。



冷やしラーメンは長らく「難しい料理」だったと思料する。

熱々でこそ真価を発揮する動物系スープは、冷やすことで香りも旨味も閉じてしまう。そのため、かつての冷やしラーメンには似通った味わいのものが少なくなかった(無論、最初からか課題を解決していた店は存在した)。

しかしながら、各店の挑戦はその常識を塗り替えた。設計を見直し、素材の組み合わせを探求し、冷たいからこそ成立する一杯を追い求めたのだ。その結果、冷やしラーメンは「夏向けのラーメン」から、「冷やしでなければ表現できない料理」へと進化を遂げることなった。

いまやその象徴とも言える店には行列が絶えない。SNSで話題を呼び、提供開始と同時に多くのファンが押し寄せる。冷やしラーメンは季節の風物詩であると同時に、ラーメン文化の最前線でもあるのではないだろうか。その移ろいを映し出す一杯を、これからも追いかけ続けたいと思う。
見晴屋
住所:埼玉県深谷市深見晴町10-14
営業:11:00〜15:00/17:30〜20:00 火・木曜は昼営業のみ
定休:水曜
Instagram @miharashiya_1011

尾瀬 惇=写真・文 池田裕美=編集

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