不完全燃焼でプロレスに転身「悪役が自分たちらしい」

車の話をひと通り終え、話題はプロレスラーとしての生き様へ。いかつい体躯と素顔のチャーミングさでファンを魅了する2人だが、かつては「ヒール(悪役)」としてリングを席巻し、プロレス界の台風の目となった。
ジュン 2024年に当時のヒールユニットは卒業したので、正確にいえばいまの役割は違いますが、リングに上がればどうしても悪役寄りのファイトスタイルになります。俺らはやっぱりそういう立ち位置がしっくりくる。
レイ そうだな。昔のプロレス界には、荒々しい外国人ヒールレスラーがたくさんいて、彼らが試合を最高に盛り上げていました。自分たちも、そうした規格外で荒々しいイメージを受け継いでいきたい。その思いはいまもあります。
ジュン 試合前に必ず自分だけのルーティンを行って、スイッチを入れます。ヒールでもベビーフェイスでも、リングに上がったらとにかく思いっきり暴れ回りたい。そうやって俺らは強くなってきたので、その本質はこれからも変わりません。
差し入れのクッキーを食べる2人。かわいいものが好きだと話すレイさんだが、一方のジュンさんは大の甘党だ。


実は、大相撲の元力士である2人。8年間所属した角界を引退後、全日本プロレスでプロデビューを果たしたのは34歳の時。20代前半でのデビューが一般的な世界において、異例ともいえる遅咲きの転身劇だった。
ジュン 力士を辞めたあと、弟と会うたびに「プロレスをやろう」と口説かれていたんです。俺にはその気がなくて、30回以上は断ったんじゃないかな。
レイ 30回以上かも(笑)。とにかく、ずっと兄を口説いてましたね。
2026年4月「眼窩底骨折」の重傷を負ったばかりのジュンさん。翌月には眼帯姿で試合に復帰した。
ジュン すでに30歳を超えていたし、プロの厳しさは相撲で身にしみて理解していたので、現実的じゃないと思ったんです。俺自身はもう1度アメリカに戻って、トラックの運転手をやるつもりでした。でも、最後には根負けして「分かったよ」って。
レイ もし最後まで兄に断られていたら……。そうですね、ひとりでもプロレスの道には進んだと思います。ただ、一人だったら、いま見てる景色を目にすることはなかった。それは確実だと思います。
ジュン まぁ、こういうことは普段言わないですが、いまは心から感謝してますね。ただ、弟が一度、練習がキツいからやめたいって言ってきた時は、ものすごく怒りましたけど。
レイ あの時は大きな怪我もして精神的に追い込まれてて……。兄が引き止めてくれて踏みとどまりましたけど、「自分たちの意志でやめることだけは、絶対なしにしよう」って、約束し直しました。
ジュン 実際に怪我が原因でデビューできない練習生はいるんです。そうなったら仕方ないけど、続けられるうちはやろうって。50歳、60歳になってもリングに立ち続けたいですね。生涯現役を目指して暴れ続けますよ。
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「日本のみならず、世界でタッグチームといえば斉藤ブラザーズ」と呼ばれるのが、兄・ジュンさんの目標。レイさんは、怪我による欠場で惜しくも逃したプロレス大賞の奪還を狙い、世界タッグ王座を防衛し続けることを誓う。規格外の車格を持つ相棒とともに、最強の双子タッグのロードはこれからも続いていく。
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