OCEANS

SHARE

「ホテル」が地域をつなぐ場所になる

ここでひとつ、注目したいのは「KOKO HOTEL 飛騨高山」(岐阜県高山市)で開催されている「サステナブルファッションショー」だ。

「まずホテルの館内に不要な衣料品の回収ボックスを設けました。そこから回収された衣類や、ゲストの忘れ物で保管期限を過ぎた衣類を、地元の飛騨高山高校生活デザイン科生徒たちがデザインしてアップサイクル。出来上がった作品を高校生と障害者支援施設の利用者がモデルとなって着用し、ファッションショーとして披露しました」

会場となったのは、地域のホールなどではなくホテルのレストラン。宿泊施設が、地域の人々をつなぐコミュニティの場へと姿を変えたことは地元でも大きな話題となったが、この取り組みはそこで終わらない。このショーに参加した高校生から新卒採用者が生まれたことは、下嶋も予想していなかっただろう。

「地域との取り組みが採用にもつながり始めています。ブランドに共感した仲間が増え、その仲間がまた地域との新しい関係をつくっていく。そうした循環が少しずつ生まれてきました」

これは地域との関係性を積み重ねてきた「KOKO HOTEL 飛騨高山」が土地に根づく存在となった好例といえるだろう。やがて、こうした時間そのものが他社には簡単に真似のできないブランド価値へと育っていくはずだ。

「ポラリス ホテルズ&リゾート」マスターブランド構想

2026年6月18日にオープンした KOKO HOTEL Premier 東京ベイ幕張。

2026年6月18日にオープンした KOKO HOTEL Premier 東京ベイ幕張。



「今後はプレミアム、レジデンス、ライフスタイルホテル、日本旅館など、カテゴリーはさらに広がっていきますが、どのブランドへ泊まっても、『ポラリスらしい』と感じていただけることが大切です」

ホテルカテゴリーの拡大に伴い、同社が次のステージとして見据えるのが、マスターブランドの構築だ。運営するホテルブランドが増えれば増えるほど、顧客がどのホテルを選んでも共通の価値を感じられる“ブランドの背骨”が必要になるからである。

そこで新たに構想するマスターブランド「ポラリス ホテルズ&リゾーツ」では、マリオットやヒルトンのように、多様なホテルブランドを束ねながら、それぞれの個性を生かしつつ、グループ全体として一貫した価値を提供することを目指す。

「その核となるのが、やはり『FEEL THE LOCAL』。ブランドや価格帯が変わっても、その土地ならではの文化や人との接点を宿泊体験へと昇華するという思想は揺るがないものです」

「FEEL THE LOCAL」は、地域とのつながりを語るだけのスローガンではない。地域ごとに異なる魅力を生かしながら、ひとつの価値観でブランドを束ねていく。そして、旅の起点となるホテルを全国へ広げていく――。ポラリス・ホールディングスが描いているのは、日本の地域性をブランド資産へと変える、新しいホテルグループ像なのである。

ポラリス・ホールディングス
https://www.polaris-holdings.com/

しもじま・かずよし◎ポラリス・ホールディングス取締役兼COO。ホテル・旅行業界でマーケティング、ブランド戦略、国際事業に従事。国内外のホテル運営やオンライン旅行事業に幅広く携わり、2021年よりミナシア代表取締役社長、2025年より現職。

promoted by ポラリス・ホールディングス | text and edited by Miyako Akiyama | photo by Kenta Yoshizawa
提供記事=Forbes JAPAN

SHARE

次の記事を読み込んでいます。