移り変わるもの、残り続けるもの。
気になったものがあればまず手に入れ、自分の感覚で確かめる。それが吉村さんのものとの付き合い方だ。洋服も例外ではない。
「服はかなり買いますね。多いものでも3回くらい着れば結構着たなという感覚です。おしゃれをしたいというより、コレクター気質なのかもしれません。物を所有して、実際に触れてみたいんです」。

気持ちが次へ向かえば、また新しいものを迎える。その軽やかなサイクルのなかで、「チェリーニ」だけは6年前に手にして以来、変わらず手元にある。移り変わるものを楽しむ人だからこそ、この一本が残り続けていることに、その魅力が表れている。
次に選ぶなら、彫刻のようなロレックスを
次の時計を聞くと、気になっているモデルが1本あるという。18金ケースに、ワインレッドの文字盤を合わせた「チェリーニ キングマイダス」のヴィンテージモデルだ。

「形がまるで彫刻みたいなんです。どこかスカルプチャルさを感じるかっこよさがありますね。インテリアを選ぶような視点で、形そのものに惹かれて選ぶ気がします」。
ロレックスを実際に手にしたことで、その見方は少し変わった。次に惹かれるのは、生まれ年というストーリーではなく、純粋に形の美しい一本。吉村さんがロレックスに求めるものもまた、少しずつ変わり始めている。