ヨーロッパを代表する超一流のグラフィックデザイナーたちが参加してくれた。この2枚のTシャツはスイスのMaximageというスタジオのもの。ルイ・ヴィトンやNIKEの仕事も手掛ける人気スタジオだ。
ラムダン・トゥアミの「欲しいものは、だいたい買えるけど。」とは…… ▶︎
すべての写真を見る おれと同じ世代の人なら、きっと覚えている感覚がある。中学や高校の頃、街なかやコンサート会場、校庭で誰かがTシャツを着ている。それはただのTシャツじゃない。“あの”Tシャツだ。
好きなバンド。見たことないヤバいグラフィック。どこで手に入るのかわからない、珍しくして奇妙な一枚。見た瞬間、これはもう手に入らないとわかる。でも手に入らないから余計欲しくなる。手に入らないこと自体が、欲望を生む。
7月1日から60日間、毎日1つのデザインを販売する。次の日に来ても同じものはもう買えない。中目黒のWORDS, SOUNDS, COLORS AND SHAPESの店かオンラインストアで。
でも今、その感覚は完全に消えた。気に入ったTシャツを見つければ、2秒後にはオンラインで探せる。3クリックで家に届く。謎も、執着も、距離もない。何でも手に入るってことは、逆に言えば何ひとつ特別なものがないってことだ。
世の中には手に入らないものがあるべきだ。おれはそう考え、このプロジェクトを始めることにした。24時間だけ存在するTシャツ。限定版でも、特別なドロップでも、再入荷予定の商品でもない。見て、買えて、そして消えるTシャツだ。
ヨーロッパを代表するグラフィックデザイナーたちに、各数型ずつ、完全に自由に作ってもらった。ルールはひとつ。各デザインは24時間しか販売しない。迷えば消える。再生産も、再販売も、アーカイブもしない。
ラムダン・トゥアミ●1974年、フランス生まれ。香水ブランド、オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーを立ち上げ成功に導き、その後LVMHに売却し富豪になる。趣味は買い物。特にヴィンテージの家具に目がない。
OCEANS8月「街角パパラッチ」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!