マイベスト③ 饗 くろ㐂の「飲める冷やし中華そば」

最後に紹介するのは東京都台東区、JR総部線・浅草橋東口から徒歩2分ほどにある「饗 くろ㐂(もてなし くろき)」。和食やイタリアンで20年以上修業した黒木店主が、ラーメンを麺料理として独自目線で再構築しています。季節の食材などを取り入れて、季節限定ラーメンにも定評があり、話題を集める人気店です。
そんな中、ここ数年で特に注目を浴びているのが「飲める冷やし中華そば」。“飲める”というのはズバリ「麺」のこと。一体どういうことなのか……思わず体験してみたくなるメニューです。

実際、連日Xでも実食レポが上がっており、今年トップクラスに注目されている冷やし中華そばといえるでしょう。稀少な部位を使用した人気メニュー「超希少!本まぐろ脳天刺身飯」も合わせて注文。

瑞々しく艶めく自家製麺の美しさに思わずうっとり。トッピングは複数部位のしっとりチャーシューにスライスオニオン、きゅうり、フライドガーリック、そして梅一味ペースト。見た目からして従来の冷やし中華とは一線を画し、黒木店主による再構築の意図が伝わってきます。
早速、「本当に飲めるのか?」とドキドキしながら麺を頬張ります。

結論から申し上げると………飲めます!
もっちもちのプルンプルン! 噛みしめるほどに弾力とコシが際立ちます。麺の形状を保てる限界ギリギリの加水率50%弱の「超多加水麺」を10層以上の多層構造にし、長時間茹でることでこの唯一無二の食感を生み出しているそう。数多くのラーメンを食べてきた中でも、まさに未体験の新食感でした。
このメニューの始まりは、新麦での製麺実験にあったそうです。賄いで長く茹ですぎたところ、偶然「フワフワ」と面白い食感が生まれ、そこから商品へと発展したそうです。思いがけない偶然から生まれた一杯という点も非常に興味深いですね。

醤油ダレは酸味を抑えめに仕上げ、鰹節や昆布などの和風出汁を活かした奥行きのある味わい。こちらも飲み進めたくなるような仕上がりでした。後半になるとフライドガーリックの香ばしさが溶け出し、スッキリとした清涼感の中にも、しっかりとした食べ応えと満足感も得られます。
〆には梅一味ペーストをチャーシューやきゅうりに合わせ、爽やかな酸味で全体を引き締めました。
入荷次第で提供される「本まぐろ脳天刺身飯」は鮪の油脂の甘みと赤身の肉質がバランスよく、お魚界の“シャトーブリアン”のようでした。切り身1枚でごはん1杯いけちゃいます……!

店主の料理人としての腕と発想が凝縮された唯一無二の「冷やし中華そば」。本メニューは先に販売されたものの、現在は一旦終売してます。ただし店主がXで「真夏に」と発信しているので、7月~8月に再登場する可能性が高いです。
冷やし中華のみならずラーメンの概念を覆しかねない、エポックメイキングな一杯。未体験ゾーンの“飲める麺”をぜひ体験してみたい方は、公式Xをチェックの上、訪問することをおすすめします。