30〜40年代のイラストが日常着のヒント

川辺さんが今回のコーディネートで参考にしたのは、30〜40年代の雑誌『Esquire』などで活躍したイラストレーター、ローレンス・フェローズの作品だ。そこに描かれた、避暑地でジャケットにグルカショーツ、ハイソックスを合わせる紳士たちの粋な姿がヒントになった。

「基本的にショーツスタイルでは、シャツやジャケットなど襟のあるものを取り入れたいです。ただ、テーラードジャケットだと堅くなりすぎてしまう。そこで、当時の避暑地スタイルを現代の素材やサイジングに置き換えて、リラックスした抜け感を意識しました」。
着用しているマーティ&サンズのジャケットは、テーラードの工場で仕立てられたワークジャケット。カチッとしたリネン素材にタッターソールチェックが落とし込まれており、品を保ちながらも構えないスタイルを作っている。
ジャケット=マーティ&サンズ ニットポロ、チーフ=トゥモローランド ショーツ=ハバーサック シューズ=ジャコメッティ メガネ=バディオプティカル
インナーには、シャツではなくスキッパーポロを合わせてリラックス感をプラスした。
その意識は、足元や小物といったディテールにも徹底されている。
「足元はフラテッリ ジャコメッティのギリーシューズ。ホワイトヌバック素材なので表革よりもラフな印象になり、ソックスなしでサンダル風に履くことでリゾート感が出ます。チーフもコットンリネンを選び、小物まで素材感を統一してまとまりを持たせました」。

黒ショーツにただ黒を合わせていくと、どうしても重たい印象になってしまう。
しかし川辺さんのように、夏らしいリネン素材や柄、柔らかな配色でほんのりとリゾート感を香らせれば、黒の持つ重さや鋭さがマイルドになり、軽やかなジャケットスタイルが完成する。
この夏、埋もれない大人のショーツスタイルとして、ぜひ試してみたいアプローチだ。