「加速のノリは終始まろやかで、スムーズなのがいいですね。静粛性やなめらかさはBEVならでは。最大トルク545N・mというと結構な数字ですが、実際に運転するといい塩梅。街中でも扱いやすく、普通に使っていて気持ちいいクルマです」。
——さて、走り出しはどうです?安東 ……あぁ、これはいいですね。
——安東さん、乗り出しからベタ褒めですね!安東 ドーンじゃない。スーッと出る。このしなやかな加速がいいですね。
——最近のBEVは“加速ドーン”が多いですからねぇ。安東 それも嫌いではないんですけど。でも、このID.4は違う。中村さんがおっしゃっていたとおり、とても自然。ガソリン車からの乗り換えでも違和感が皆無。へぇー、これはすごい!
——再認識ですね。安東 伸び方もいい。スーッと。だから街中でも扱いやすいし、ここぞの合流のときも力強い。しかも後輪駆動らしい押し出し感もある。
——そして航続距離は587kmに進化しました。安東 もう十分ですね。ただBEVは使い方で航続距離や電費が大きく変わるので、そのあたりは今後も見ていく必要がありますが。
「キーを持って乗り込み、ブレーキを踏んでDレンジを選ぶだけで走り出せる。スタート/ストップスイッチを意識する場面がほとんどない。今回の改良で、シフトセレクターがステアリングコラム右側へ移り使いやすくなりました。リアフェンダーに普通充電口と急速充電口がまとめられているのも、ちゃんと使う人目線ですよね」。
——乗り心地はいかがです?安東 違和感はありません。普通に使っていて気持ちいいです。操作もシンプルで、すぐ馴染む。これまでメーターパネル横に設置されていたドライブモードセレクターが、ステアリングコラムに備わるレバー式に変更されたのも、使いやすく、いいアップデートです。
加えて、トランクスルーもあって長尺モノも積めるし、ラゲッジも十分。こういう痒いところに手が届く実用性が大事なんです。
「ID.4はトランクゲートの開閉が上品ですね。荷室容量は543ℓ、後席の背もたれは60:40分割式ながら背面中央が開くトランクスルー構造になっていて、スキー板や釣り道具などの長尺モノも無理なく積める。このあたりの設計は実用的で安心感がありますし、ダンパーの太さも含めてドイツ車らしいしっかりした造りに信頼を感じます」。
中村 安東さん、お帰りなさい……って顔にもう出てますね。
——ちゃんと使える実用性が、ちょうどいい!とのことです。安東 まさに、そこです!フォルクスワーゲンらしい。過剰でもなく、不足もない。ちょうどいい。でも、その“ちょうどいい”の少し上にちゃんといいモノ感があります。
——派手さより、実用。見栄えより、身の丈ですね。ちなみに価格は528万7000円。安東 この内容なら輸入車ではかなり頑張っていると思います。正直、改良以前は実用性でいえば、かなり物足りなかった(笑)。
——……ところで安東さん。安東 はい?
——中村さんが目の前にいらっしゃいますけど、忖度してないですよね?中村 ……(苦笑)。
安東 いや、大丈夫です。そこはハッキリと言いますから。改良前のID.4は『物足りない』ってちゃんとお伝えしてましたので。
中村 はい。しっかり受け止めて改善してきました。
安東 ですから忖度ではなく、“納得”です。
——なるほど。ちゃんと進化してる、ということですね。安東 そういうことです。ちゃんと足りなかったところを埋めてきた感じ。派手じゃないけど、気付いたらずっと乗っているクルマ。
——結局、それがいちばんいいクルマの条件ですね。安東 だと思います! 好印象です。
——中村さん、よかったですね!中村 (ホッ)。
フリーアナウンサー安東弘樹●1967年、神奈川県生まれ。愛車遍歴およそ50台を誇る生粋のカーガイで、ドライブはただひたすらクルマを運転していたい派。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。現在はBMW X5 PHEV、プジョーの電気自動車 e-208などを所有する。
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