島袋さんの自宅コンドミニアムの、充実したトレーニングルーム。シンガポールで過ごすときはここで身体を鍛えている。
小比類巻 身体以外に、気持ちの変化はありましたか?
島袋 もちろんです。まず、強くなると自信が生まれます。そして人に対して優しく、おおらかに構えられる。全身運動なので血流が良くなり、気分も晴れ晴れとしますね。
小比類巻 どんな経営者の方でも、練習前と練習後では顔つきが変わるんです。「いつでも戦える」というマインドが生まれるのだと思います。
得意のキックを磨く。「先日久しぶりにスパーリングをして、キックの速さに改めて驚きました」と小比類巻さん。
島袋 経営者というのは志を高く持たなければならない宿命にありますが、キックを続けていると、その気持ちをキープできるんです。テストステロンが分泌されて、ミッドライフクライシスをコントロールできる。
小比類巻 だから今も、ほぼ毎日練習に来られるんですね。
島袋 私にとってはもはや“ノーキック・ノーライフ”なんです。ストレス社会のなかで、唯一無になれる場所が小比類巻道場。仕事やバックボーンに関係なく、キックボクシングを通じて少年のような気持ちでつながれるというのが、素晴らしいと思っています。
小比類巻さんいわく「昔も今も、島袋さんのスピードは道場で一、二を争います」。幼少期から大学時代まで続けていたという、サッカーの賜物か。
──島袋さんは小比類巻道場に通ういちキックボクサーだ。しかしながら同時に、経営するWellness X asiaは、小比類巻さんがプロデュースする「EXECUTIVE FIGHT BUSHIDO」のスポンサーも務めている。20年の第1回大会からずっとだ。「コヒさんの挑戦する気持ちを、何かしらの形で支援したかった」と振り返る。島袋 キックを始めて14年。その間、ビジネスに関しては良いときもあれば悪いときもありました。私もコヒさんもお互いに。それでも道場に通い続け、ミットを打ち、心と身体を整えてきました。ですからある意味、同志のような存在だと思っているんです。
小比類巻 ありがとうございます。これまで島袋さんは、「BUSHIDO」に関してはスポンサーに徹してきました。でもついに次回、第17回大会への出場を決意されました。どんな心境の変化があったのでしょうか。
島袋 道場に通う仲間たちは誰もが素人から始めて、努力して上達し、果敢に「BUSHIDO」にチャレンジしていく。一方自分はどうなのか。長くキックを続けてそれなりに強くなってはいるけれど、何かと理由をつけて試合から逃げているんじゃないのか。そんななかで「44歳、もう一度自分を変えてみたい」と思ったんです。
小比類巻 島袋さんが出場すると聞いたときは、言葉にならないくらいうれしかったです。どんな思いで試合に臨むつもりでしょうか。
島袋 試合の勝敗よりも「己に勝つ」ことが目標です。そしてこの先もずっと、できる限りキックボクシングを続けていきたい。今改めて、そう思っているんです。
──キックボクシングを通じて多くの経営者の姿を見てきた小比類巻さんは、「その人が“精一杯生きている”かどうかは、佇まいに表れる」という。それは格闘家もビジネスパーソンも同じである、と。己と戦い、精一杯生きる島袋さんの姿。それは来る9月の「BUSHIDO」のリングの上で、必ず目にすることができるはずだ。 [KOHI’s NOTE]
・14年間ほぼ毎日、キックボクシングの練習を続けている。
・始めてから4カ月で15㎏減量し、メンタルヘルスも向上。
・仕事も趣味も最初のハードルを越えれば、光が見えてくる。
・経営者という職業は、常に志を高く保たなければならない。
OCEANS7月「Wellness is Wealth」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!