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今回、取材が行われた場所は川尻さんが経営する、予約が半年先まで取れないという隠れ家的イタリアンレストラン。2階にはギャラリーを設けており、将来有望なアーティストの作品が展示される。

「表参道という場所柄、多種多様な経営者や起業家が集まります。レストランで働くシェフやパティシエも素晴らしい経歴を持つ才能ある若者です。パティシエが作るスイーツはギャラリーに展示されているアートをオマージュしているのでお客様の話のネタにもなります。その話をするとギャラリーの作品も見せてほしいと言われることがしばしば。

経営者や投資家たちが展示されたアーティストの作品を気に入って、このギャラリーからいろいろな世界に羽ばたいていったアーティストもいるんですよ。お金より価値があるのは“機会”だと思っているので、自分をきっかけに人が“機会”を得るのも投資に似ていて面白いんです」。

いわゆる“投機”に近いマネーゲームのような“投資”ではなく、川尻さんの周りにいる人がハッピーになることが、自身の幸せの定義と語る川尻さん。そして、“成功”よりも“面白い人生”を選ぶことが人生哲学となっているのだ。

普段の着こなしではシンプルで長く付き合える服を好むという川尻さん。選ぶアイテムは素材やシルエットを大事にしているそうだ。

「ジャケットを着ると自然と背すじが伸びます。今日着用しているジャケットはエルメスのもの。ロゴが前面に出ているデザインが苦手で、普段はユニクロも愛用しています。素材も着心地も申しぶんないですから」。

また、時間は大切な資産というマインドから、オン・オフ関係なく腕時計は必ず身に着けている。

「腕時計に関してもシンプルなデザインが好き。お気に入りはパテック フィリップの珍しいクロノグラフ仕様のアクアノートです。最初に買った高級時計なので、一生この時計と付き合っていこうと考えています。ユニクロのカシミヤニットを着るときなどにこのアクアノートを着けると抜け感が出るんですよ」。

着こなしにおける究極のハイ&ロー。このギャップ感こそが川尻さんの人間的な魅力につながっている。


オフの日は意識的に仕事から距離を置くことを大事にしている川尻さんのFUN-TIMEは、ずばり旅に出ることだという。

「世界中、いろいろな国をまわりましたが、新しい場所や街を歩くと頭がリセットされるんです。自然が好きなので海外でも自然に触れるために海や山に行くのですが、海でまったりしたり、山を歩いたり、雪山でスキーをしたりすると、初めて行った街を歩くときと同じように心身がリセットされる感覚があります。

現代の便利なテクノロジーに囲まれていると、子供の頃の記憶にある土の匂いが恋しくなるんです。そんなときは自分の畑で採れた野菜を調理して食べることもあります。オフの日はそういった自分と向き合う時間を大切にしています」。

また、川尻さんは旅先での出会いも大切にしている。

「海外で出会った若い起業家の“人生は一度だから挑戦する”という言葉が印象に残っています。それが今の挑戦にもつながっているんです」。



そして、人生を楽しむうえで大切にしていることは好奇心を持ち続けることだと川尻さんは続ける。

「自分は人よりも知らないことに対しての好奇心が強いので、いつも面白いものを探している傾向にあります。自分が成功するよりも、面白い人生を選びたい。そう思って生きてきて、気付いたら今の人生になっていました」。

常に好奇心を持ち続けることが、充実したライフスタイルにつながる。日常の中に小さな冒険を見つけるマインドセットが川尻さんのFUN-TIMEの卵になっているのだろう。
川尻征司●1982年、兵庫県芦屋市生まれ。関西美容学校卒業後、大手美容室チェーンに入社。美容室を辞めたあと、東南アジアにてビジネスをスタートし、現在は8カ国でさまざまな投資活動を行う。内閣府認定 公益財団法人KAWAJIRI FOUNDATIONの設立者でもあり、慈善活動家として多方面で活躍中。著書に『GLOBAL CITIZEN グローバル・シチズン 世界標準の自分らしく夢を叶える7ルール』(扶桑社刊)がある。

山本雄生=写真 牛島康之=取材・文

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