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2026.05.22

動くかどうかは、運次第!? 大富豪ラムダンが「アストンマーティン DB6」を買い続けるワケ

「アストンマーティン DB6」

「アストンマーティン DB6」


ラムダン・トゥアミの「欲しいものは、だいたい買えるけど。」とは……
▶︎すべての写真を見る おれは1960年代のイギリス車を買い続けている。なかでもアストンマーティン DB6が好きだ。抑制が効いていて、控えめなのに存在感がある。
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このクルマは最初はすごく自然に見えるが、全然そんなことはない。そして男らしさを前面に出すわけではなく、静かにそれを前提にしている。攻撃性もないし、過剰さもない。おれにとって「クルマが何になり得るか」のいちばん完成された表現だ。

ただしDB6を所有するのは忍耐力の訓練そのもの。電装は不条理なレベルで気まぐれで、ウインカーもライトもイグニッションも安定しない。キーを回しても、動くかどうかは運次第。ロジックも一貫性もない。


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当たり前だけど、現代のクルマはすべてが完璧で即座に反応する。押せば動く。DB6に乗る者は不完全さと遅れを受け入れることを要求される。

現代のクルマは効率、最適化、合理性を目指す。速いクルマは力、支配、緊急性を示す。高級SUVは成功、安全、そして趣味に見せかけた同調を表象する。ではDB6は何を象徴するのか? 完璧なシステムより、綻びのある美、だとおれは思う。



実を言えば、快適じゃないからいい、とすらおれは思う。電装の不具合は偶然じゃない。このクルマの本質の一部だ。スムーズさや予測可能性を拒否し、抵抗のある世界を選ぶという立場そのものなんだ。
ラムダン・トゥアミ●1974年、フランス生まれ。香水ブランド、オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーを立ち上げ成功に導き、その後LVMHに売却し富豪になる。趣味は買い物。特にヴィンテージの家具に目がない。

OCEANS6月「What’s Luxury?」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック

ラムダン・トゥアミ=写真

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