医師がすすめる減酒の3ステップ
©Unsplash
ステップ1:自分の「現在地」を客観的に把握する
ーーガンになるリスクがあること。また、脳の活動を落とし、気分の落ち込みを招く作用がお酒にあることも知りませんでした。酒好きな人が減酒しようと思ったら、何から手をつければいいでしょうか。まずは自分を知ることが大切です。つまり、自分の飲酒状況を世間と照らし合わせて相対的に把握すること。私がおすすめするのは、
SNAPPY-CAT(スナッピーキャット)というサイトです。
飲酒量と飲酒頻度、また、記憶を失くしたことがあるか、他人から飲酒量を心配されたことがあるかなど、13問の質問に答えるだけで、自分の飲酒量を評価してくれます。これはWHO(世界保健機関)を中心に開発された評価スケールの一部を活用しているもので、信頼性は高いですよ。結果によっては100人中何位です、という数字まで出してくれるのでぜひやってみてください。
ステップ2:飲んでいる「量」を記録し、置き換える

ーー試してみたんですが、結果は「40~50歳代女性100人のうち多い方から5番目」「専門医療機関受診を勧める」という判定でした。そこまで飲んでいる自覚がなかったのでショックでした。5番目というのはかなりのトップランナーですね。大丈夫です。自分の飲酒量を客観視する第一歩はクリアしたので、次は目標となる飲酒量を設定することから始めてください。
ーー目標となる飲酒量は、どのように設定すればいいのでしょう。アルコールの「グラム数」を意識しながら飲むのが効果的ですよ。男性なら1日平均40g、女性なら20gを目安にするとよいでしょう。
WHOによる飲酒リスク分類(1日あたりの純アルコール量)
ローリスク(低):男性 40g以下 / 女性 20g以下
ミディアムリスク(中):男性 41〜60g / 女性 21〜40g
ハイリスク(高):男性 61〜100g / 女性 41〜60g
ベリーハイリスク(極めて高):男性 101g以上 / 女性 61g以上
ーー飲酒量をグラム換算したことがないのですが、計算式はあるのでしょうか。純アルコール量の計算式は以下のとおりですが、計算が面倒だという人は目安になる表を参考にしてください。因みに、最近は缶のラベルにグラム数を表示するメーカーも増えています。
・計算式
量(g)=お酒の量(ml)×アルコール度数(%)/100×0.8(アルコールの比重)
ーービールのロング缶を2本飲むと、あっという間に40gになるんですね……。飲酒リスクとして示されている数字は、休肝日も含めた「1日平均の純アルコール量」をベースにしています。毎日飲まない方は、1週間の総量から平均値を割り出すなど、適宜応用してください。ただし、平均値さえクリアしていればいいわけではなく、1日の摂取量が男性60g、女性40gを超えると、急性の心疾患や脳疾患、あるいは不慮の事故に遭う危険性がより高くなるので要注意です。
いずれにしてもダイエットと同じで、モニタリングするだけで行動は変わります。どうしても飲みたいという衝動が抑えられない場合は、置き換えというテクニックも有効ですよ。
ーー置き換えとは?最初の1、2杯はノンアルコール飲料にして、途中から好きなお酒に変える。急に量を減らしたり、お酒を飲む代わりに運動をしてみるといった劇的な行動変容は難しいことも多いので、まずはシチュエーションを変えずに、中身だけを置き換える。依存症じゃない限り、こういった方法でも酒量を減らせる方は多いはずです。
ステップ3:コミュニティやアプリの力を借りて習慣化する
©Unsplash
ーー酒好きが1人で減酒するには、相当な意志の強さが必要な気がしますね……。 1人でやるのは大変ですよね。その場合は外の力を借りるのが賢い方法です。私がおすすめするのが
「みんチャレ」というアプリ。これは同じ目標を持つ仲間とグループを作って、毎日報告し合うんです。早起きグループの人が朝の空の写真を送るように、お酒を減らす取り組みに関する写真を送り合う。仲間がいると、「今日は飲まないでおこう」という抑止力になります。
ーーいいですね。SNSを使う習慣がある人ならハードルは低そうです。ぜひ、やってみてください。そしてもしSNAPPY-CATで「専門医療機関受診の勧め」と判定された人は、より専門的なサポートを検討した方がいいでしょう。お酒を減らすのを助けてくれるお薬もありますし、生活スタイルや状況に合わせた目標と行動プランをサポートしてくれる
減酒治療補助アプリもあります。
薬も治療補助アプリも医師に処方してもらう必要がありますが、オンラインが可能な機関もあるので、興味がある人はぜひチェックしてみてください。人間に説教されるとムッとしてしまうことでも、アプリの客観的なフィードバックなら意外と素直に受け入れられるみたいですから。
◇
意外と客観視できていないのが、自分の飲酒量。「あいつの方がたくさん飲むから、俺はまだ大丈夫」なんて基準もアテにならないのがわかった。まずは、AUD基準で自分の現在地を把握するのが良さそうだ。ビールの喉ごしが最高になる季節を前に、セルフチェックを試してみてはいかがだろう。