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単に美味しいだけじゃない、焼肉の魅力


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日本の焼肉がここまで国際的な知名度を得た理由は、単に「肉が美味しいから」だけではない。そこには「コミュニケーション」の文化がある。ひとつの網を囲み、みんなで肉を育て、分け合う。このシェアの文化は、非常に温かく、親密だ。欧米の個食スタイルの食事とは対照的に、焼肉は座った瞬間から連帯感が生まれる。

また、日本の「タレ」の文化も大きい。醤油をベースに、ニンニクや果実、胡麻などの複雑な旨みが凝縮されたタレは、肉の脂の甘みを最大限に引き出す。この「旨み」の体験が、一度食べたら忘れられない中毒性を生んでいるのだ。


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「Yakiniku」という言葉が、寿司や天ぷらに並ぶ日本の代表的な食文化として定着したのは、それが「日本独自の洗練されたBBQ」として解釈されたからだろう。

焼肉店に行くと、誰もが自然と笑顔になる。注文した肉が運ばれてきた瞬間の、あの「うわあ!」という歓声。最高の焼き加減で口に運んだときの、沈黙の後の「美味しい……」という溜息。

これこそが、食の本来あるべき姿だと僕は思う。プロの料理人が作った完成品を食べるのもいい。でも、素材と向き合い、自ら火を操ることで、最高の瞬間を自分で作り出せる楽しさがある。焼肉は、食べる側を「主役」にしてくれる料理だ。



もし、読者のみなさんの周りに海外からの友人がいたら、ぜひお気に入りの焼肉店へ連れて行ってあげてほしい。そして、あえて何も言わずにトングを渡してみてほしい。最初は戸惑うかもしれないけど、一度肉を焼き始めれば、彼らはすぐにその魔法にかかるはずだ。

日本の焼肉は、シンプルでありながら、世界で最もエキサイティングな食のエンターテインメント。僕たち外国人が日本という国をもっと好きになる、最高にジューシーなきっかけなのだ。

▶︎マッシさんの公式Xはこちら!

マッシ=写真・文 池田裕美=編集

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