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3. 樽のシーズニングは、本場へレスのシェリー酒で

©The Macallan

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でき上がった樽はスペイン南西部にあるシェリー酒の地、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ(以下、ヘレス)で、最終工程に入っていく。
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シェリー酒を入れ、ボデガと呼ばれる熟成庫でシーズニング(味付け)が行われるのだ。このシェリー酒もザ・マッカラン用にビスポークされたもので、傘下のバルデスピノ社がその製造を行っている。

「シェリー酒の中でも最も質の高いぶどう”パロミノ種“を生産する畑、マチャヌードは、ヘレスで最も高い標高にあり、大西洋からの湿った涼しい風が吹き込むぶどう栽培に適した場所です」と語るのは、バルデスピノ社のグローバルアンバサダーを務めるイグナシオ・ロペスさんだ。

バルデスピノ社 グローバルアンバサダーのイグナシオ・ロペスさん

バルデスピノ社 グローバルアンバサダーのイグナシオ・ロペスさん ©The Macallan


「シェリー酒を貯蔵する樽は、熟成段階ごとに体系的に管理されています。最も長く熟成されたワインを含む樽は地面に近い最下段に置かれ、『ソレラ』と呼ばれます。その上に、熟成の若い順に『第1クリアデラ』『第2クリアデラ』と層状に積み上げられていきます。
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このソレラとクリアデラの仕組みは非常に重要です。異なる熟成年数のワインを段階的に移し替えながら、常に一貫した品質とスタイルを保つためです」(イグナシオさん、以下同)。

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樽のシーズニングには、およそ1年半から2年の月日をかけている。基本的には自然の力に委ねながらも、定期的に状態を確認し、樽とワインが理想的に成熟しているかを見極める作業が行われる。

長い熟成とシーズニング期間を経てシェリー酒を取り出し、ようやくウイスキーの熟成に使うことができるのだ。

4. 欧米をまたいで行われるサステナブルな取り組み

「木を伐採することは、森林破壊を助長していると誤解されることがあります」と語るのはアナさん。

だが、ザ・マッカランの樽に使われるオーク材は闇雲に伐採されているわけではない。アメリカとヨーロッパ、それぞれの行政機関などと連携し、どの木を伐採すると森林保全につながるのかを確認し、毎年決められた数だけしか伐採が許可されないように綿密に計画されているのだ。

アナさんはこの手法を『選択的な剪定(Selective Felling)』と呼ぶ。

「木々が茂りすぎた森は地面まで光が届かず、若い木々が育つことができません。適切に木を伐採することは、若い木が育つためのスペース、日光、栄養を作り出し、森林の維持に繋がるのです」(アナさん)。

また樹齢70〜80年の木材を使うこともサステナブルにつながっている。

オークがどんぐりの実をつけ始めるまでには、早くても20年、遅ければ50年かかると言われている。やっと実をつけ始めた樹木を伐採することは、森の循環を阻害する。一方で樹齢80年を超えると、どんぐりは緩やかな減少傾向に入るとも言われているからだ。

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ちなみに、シーズニングに使われたシェリー酒も“第二の人生”として「ベルモット・オリヘン(写真右)」という商品に生まれ変わる。これがまた美味! だが、現在は日本未発売……残念!

5.「どんぐりからグラスまで」比類なき時間が生み出す味わい

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ここまで樽にまつわるロマンをお伝えしてきた。木材の乾燥に1年、樽づくりに4〜5年、そしてシーズニングに約2年。ザ・マッカランでは、樽を作り上げるまでに計7〜8年もの年月をかけている。

ウイスキーの味わいの約80%が樽由来だからこそ、樽にこだわり抜く。それがザ・マッカランの唯一無二の味わいを作り出す。


次回はいよいよウイスキーづくりが行われている蒸溜所「ザ・マッカラン エステート」の最新技術と伝統製法の融合にまつわるロマンをお届けする。

[問い合わせ]
サントリーお客様センター(お酒)
TEL:0120-139-310(フリーダイヤル)
※受付時間9:30~17:00(土・日・祝を除く)
https://www.suntory.co.jp/whisky/macallan/

林田順子=文

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