セカストで感じる一期一会のご縁
最近、僕はよく近所のセカストへ足を運ぶ。セカストでは一期一会の連続だ。
先日も、棚の隅でふと目が合った一着がある。それは、北欧のブランド「HOPE」のジーンズだった。独特のパターンと、絶妙に履き込まれた色落ち。おそらく数年前のモデルだけど、前の持ち主がよほど大切に扱っていたのだろう、膝の抜け具合にさえ清潔感がある。

またあるときは、イタリアのブランド「C.P. Company」のシャツや、驚くほどコンディションの良い「バーバリー」のウールニットに出会った。数十年前のパリやミラノで、誰かが高揚感とともに袖を通したはずの一着が、巡り巡って今、日本の石川県の片隅で僕の手の中にある。


この奇跡を、日本人は「縁」と呼ぶ。新品の服を買うことは、自分の歴史をゼロから書き始めることだ。でも、古着を纏うことは、前の持ち主の記憶を自分の物語に加えていく作業のように思う。セカストのラックをかき分けていると、まるで歴史図書館の書架を辿っているような錯覚に陥る。
4/5