「クルマスター☆安東弘樹のDRIVE TALK」とは……▶︎
すべての写真を見る今回は安東さんイチオシの「キャデラック リリック」でドライブトーク!
約384KWのパワーと610Nmのトルクを発揮する電動パワートレインは、力強さと滑らかな加速を両立。航続距離はWLTPモードで約510kmを確保する。
次世代ラグジュアリーを象徴するブランド初の電動SUV。その推しポイントは“回生パドル”にあった。
“回生パドル”が走りの楽しさを謳う電動SUV「リリック」
1100万円〜/キャデラック 0120-711-276
「CADILLAC LYRIQ」
ボディサイズ:全長4995×全幅1985×全高1640mm
ホイールベース:3085mm
車両重量:2650kg
駆動方式:AWD
システム最高出力:384kW(522PS)
システム最大トルク:610Nm(62.2kgf・m)
一充電走行距離:510km(WLTPモード、GM社内測定値)
タイヤ:(前)275/45R21 107V/(後)275/45R21 107V

「実はこのクルマ、かなり好きなんですよ」。
いきなり告白ですか(笑)。
「昨年の日本カー・オブ・ザ・イヤー 2025-2026で、選考委員として『テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー』にこのキャデラック リリックを推したんですよ。残念ながら選ばれませんでしたけど(悔)」。
おぉ、安東さんがそこまで推す理由、気になりますね。
「理由はこれです!」。
「面白いのは、右側にパドルがないところ。パドルは1個で十分っていう考え方なんです。しかも段階式ではなく無段階。握る強さで減速を自然にコントロールできる。EVはワンペダルに頼るクルマが多いですが、これはドライバーがクルマを操る感覚がちゃんと残っている。僕はこの操作性、かなり好きですね」。
ステアリングホイール左のパドルシフトですが……これが?
「今はワンペダルモードをオフにしているんですけど、走行中にパドルを引くと回生ブレーキがかかる。しかも無段階で、制動(回生)の強さを自然に調整できるんです」。
ふむふむ。無段階というのは聞いたことがないです。しかも右側にパドルはないんですね。
「そう。さらに強く握ると、回生が強くなりそのまま停止できます。パドルは“1個で十分”って発想なんです。段階式じゃなく、じわっと左手だけで加減速をコントロールできる。僕はこれ以上のEV操作系はないと思いますね。この機能のためだけに欲しいぐらいです」。
なるほど(笑)。EVもPHEVも所有し、“操る派”の安東さんだけに説得力がありますね。デザインはどうですか?

「縦に伸びるLEDとか、このフロントの造形処理とかがとても未来的ですよね。ほかにないデザイン。アバンギャルドなんだけど、不思議と嫌みがない」。
確かに遠くからでも、キャデラックとわかりますね。
「最近のクルマってLEDを多用しているせいか、似てきているじゃないですか。でも、キャデラックらしい個性があるんですよね」。
なるほど。電動SUVになってもキャデラックはキャデラック。威風堂々ぶりはやはり、存在感ありますね!
「でも全長は5m未満なんです。幅も2mいっていない。最近の輸入車(特にドイツ車)はどんどん大きくなっていますけど、それに比べると扱いやすいサイズ感かなと」。

このシート、いいですね。
「包み込まれる感じなんですけど、ちゃんとコシがあるというか柔らかすぎない。長距離でも疲れないシートです。いやぁ、しかし静かですね。本当にラウンジにいるみたい。これぞアメリカンラグジュアリーって感じですよ」。
全席シートヒーター付きで前席にはベンチレーターとマッサージ機能もあります。
「面白いなと思ったのが操作の考え方です。シートヒーターとかベンチレーションの操作系はドア側に集約されている。座ったまま自然に手が届く場所にまとまっているんですよね。さらに目の前には33インチの湾曲ディスプレイ。9K相当の解像度で情報も見やすい。先進的なのに操作は直感的に感じました」。
「しかも面白いのが、シート回りの操作がドアの内装パネルに集約されているところなんですよ」。
某ドイツ車みたいですね。
「これがすごく合理的だと思うんです。シートヒーターとかベンチレーションってメーカーによってはインパネ側にあったりするじゃないですか。でもこれは全部座席調整スイッチ近くにある。これは全メーカー見習ってほしいですね」。
「ヘッドレストのスピーカーがAKGなんですけど、これがいい。静粛性が高いクルマだから音の質がしっかりわかるんです。普通のカーオーディオって前から鳴るイメージですけど、ヘッドレストから音が出ると音に包み込まれる感じで、空間全体で音楽を聴いている感覚。静かなEVだからこそ、AKGサウンドの良さが際立つと思います」。
ヘッドレストのスピーカーは、音響の名門AKGですね。
「これ、いいですよ。静粛性が高いから音の質がわかるんですよ。ヘッドレストから音が出ると包み込まれる感じになります。移動中の車内でも、音楽を聴く時間が楽しくなると思いますよ」。
航続距離はどうですか。
「体感だと400km近いかなと」。
400kmはなかなか。

「今、バッテリー残量が77%くらいなんですけど、それで405kmって表示されてるんですよ。さすがにもう少し電費が下がってくるとは思いますが、リアルに400kmは走るような気がします」。
長距離ドライブ好きの安東さんも、かなり安心感ありますね。
「カタログ値で500kmって聞くと『いやいやせいぜい300kmくらいかな』というイメージですが、走っている感覚だと、500kmは無理だと思いますが400kmは行けるかなぁ、という印象です」。
かなり現実的な航続距離ということですね。それなら日常使いは問題なさそうですね。
「今日も停まっている間、暖房やシートヒーターをつけっ放しでしたけど、減りはそれほど早くない」。
それは安心感があります。肝心の走りも、転がり出した瞬間から良さを感じます。
「いやぁ、しかし静かでラウンジみたいな空間です。乗り心地もしっとりで、これぞアメリカンラグジュアリー。アクセルを踏み込むとスッと前に出る。静かなのに力強い、このギャップが面白い」。
「乗り心地はすごくしっとりしていますよね。レンジローバーのPHEVより軽やかに感じますし、同じ電気で走るSUVでも、こっちのほうがシャープな感じです」。
速いです!
「384kWありますからね。トルクも610Nmあります」。
SUVとは思えない!
「正直、ポルシェより迫力を感じる瞬間があります。200kmが長距離だと思う人なら、もう十分。実用車としての完成度はかなり高いと思います」。

車名の「リリック」は詩や歌詞という意味だそうですね。
「はい。静かで、音もいいですから。気付くと歌ってしまいそう(笑)」。
そして安東さんは回生パドルでリズムを刻む、と。
「はい、僕はこの回生パドルが気に入ってますから(笑)」。
フリーアナウンサー安東弘樹●1967年、神奈川県生まれ。愛車遍歴およそ50台を誇る生粋のカーガイで、ドライブはただひたすらクルマを運転していたい派。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。現在はBMW X5 PHEV、プジョーの電気自動車 e-208などを所有する。
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OCEANS5月「デニムは、人だ。」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!