
「質の高いパフォーマンスへと導き、ともに時代をリードする」。ビジネスパーソンの足元をサポートするアシックスウォーキングとともに、時代を切り開くイノベーターの声を聞く本連載。
今回は、フリーアナウンサーとして活動しながら、企業や地方自治体とスポーツの世界をつなぎ、さらなる社会発展を目指す、田中大貴さんをお招きした。
第十一回田中大貴さん
たなか・だいき●1980年、兵庫県生まれ。2018年にフジテレビを退社後、フリーアナウンサー、スポーツアンカーとして、各種スポーツ中継やイベントのMC・実況を務める。一方で、スポーツ界と企業を繋ぐプロジェクトを推進する、インフライトを立ち上げ、スポーツにまつわる企業コンサルティングやメディア制作、CSRイベントの活動・運営などに携わる。メディア出演と経営、その両面で八面六臂の活躍を見せている。
私が立ち上げたインフライトは、アスリートやスポーツ団体と企業、地方自治体をつなぎ、それぞれがともに成長し、豊かになれるようにサポートする役割を担っています。私自身、大学卒業まで野球に携わり、局アナ時代にはキャスターとしてスポーツ実況はもちろん、企業取材も数多くこなしてきました。その経験から、プレーヤーの立場、チームやリーグといった運営・会社側の目線、そしてそれらをつなぐコーディネーター、それぞれの立場を理解することができるように。こうしたバックグラウンドがあったおかげか、独立したタイミングで自然と声をかけていただけたんです。
――設立から8年が経った現在、契約企業は50社以上。8名のスタッフを抱え、進行中のプロジェクトは100を超えるほどだ。今回の取材会場を用意してくれたネクスウィルもそのひとつ。例えば、不動産業を営むネクスウィルさんは、未来に向けた日本の課題のひとつである、空き家問題に取り組んでいます。地方のスポーツチームと連携し、ファンや自治体、企業を結ぶ施策を展開することで、地方の空き家のリストアップやその有効活用、そして最終的に地方の活性化を実現しよう、というのが狙いです。
選手やチームは、スポンサーという形で活動資金を得る。企業や自治体はスポーツがもつ魅力を活かして、社会的な価値や評価の向上を目指す。この両者をリンクさせることが、私たちの使命です。
――日本代表や海外で名声を得るほどのビッグネームでなくとも、アスリートやスポーツチームの活躍は多くの人に感動を与える。いわばヒーローだ。それがローカルであればあるほど、彼らに対する思いや熱量は高く、より大きなものになる。しかしスポーツビジネスという観点になると、そこに大きな落とし穴もあるという。長くメディアに携わった経験から思うに、視聴率や集客数といったわかりやすい関心度で比べると、未だスポーツに優るコンテンツはありません。スポーツ観戦は非日常を感じられる体験となり、選手たちのパフォーマンスには誰かの人生を変えるほどの感動を与えられる力がある。それが地方であればあるほど、選手やチームと応援する人たちの距離感が近く、愛情や情熱も人一倍強くなります。
ただビジネスとなると、情が入りすぎることで判断が鈍ってしまい、うまくいかなくなるケースが往々にしてあるんです。冷静に、距離を置いて、俯瞰した視点で取り組まないと、スポーツビジネスは長く続かない。選手たちはもちろん、関わる人たちを幸せに、豊かにするためのスキームが崩れ、負のスパイラルに陥ってしまう。自分でも厳しい意見だとは思いますが、歴史的、統計的に見てもこれは明らか。なので、「愛情と情熱から“情”を取り除き、愛と熱だけを残して取り組んでほしい」と周囲にはよく伝えています。
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