50歳から「一生現役」の主人公として

藤田さんのバイクライフは趣味の領域を超え、これからの人生の指針にもなっている。地元・静岡県御殿場市で大規模なバイクミーティングイベントを主催する構想もある。
「地元を盛り上げたいというのもあるし、バイクを通じて新しいコミュニティを作りたいんです。2000人、3000人と集まって、バイクアパレルやマルシェを出店し、ステージではトークやダンスをし、警察にも協力していただいて交通安全講習もやる。ゆくゆくはフェスみたいに大きくして、そこからみんなでツーリングに出発するような広がりを作りたいですね」。

熱い思いを口にする藤田さんだが、根底にあるのは前編でも語った「死ぬまで自分の人生の主人公であり続けたい」という強い願いだ。
「昔は、ある程度の年齢になったら子供にバトンを渡して、自分は脇役に……という考えもありました。でも、俺は俺の人生の主人公のまま、死ぬまで現役で楽しんでいいんだって開き直ったんです。
人生100年時代を前提にすれば、50歳なんてまだ折り返し地点。今の『藤田』として生きられるのは今世だけなんだし、楽しまなきゃ損じゃないですか。あいつらしいなって笑われるくらい、好き勝手に、かっこよく生きてやろうと思っています」。
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漆黒の鉄馬に火を入れ、藤田さんは今日も走る。Vツインエンジンの鼓動は、加速する彼の人生そのもの。50歳の向こう側にある、まだ見ぬ景色を求めて冒険はこれからも続いていく。