「行政×民間」の輪を広げることが急務
野口さんによれば、災害支援における理想的なモデルケースとして、イタリアの例は非常に参考になるという。
「イタリアでは、災害支援の専門的なノウハウを持つボランティア団体を、国が平時から認定・サポートして、訓練を共にしています。いざ災害が起きれば、彼らが行政と連携して現場を動かす仕組みが確立されているのです。
日本にも専門性のあるNPO団体は存在しますが、基本的には“自腹”で活動しています。要するに、資金が尽きれば活動を続けられないんです。こうした状況を改善するためにも、金銭的なサポートを含めた行政と民間のコラボレーションが必要だと思います」。
2024年能登半島地震で寝袋を支援
現在、野口さんが代表を務めるNPO法人「ピーク・エイド」では、岡山県総社市と災害協定を結んでいる。
「能登半島地震で私たちが迅速に動けたのは、総社市の片岡聡一市長が被災地の首長と連絡を取り、現地のニーズを汲み取ってこちらに共有してくれたからです。こうした行政間の連携し、物資の確保をすばやく行える民間団体の機動力が組み合わさることで、はじめて効果的な支援が可能になります」。
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取材中、「明日は我が身」と繰り返し警鐘を鳴らしていた野口さん。仮に今、南海トラフ地震や首都直下型地震などの大規模災害が起きた場合、「災害支援の実態がこのままでは、日本が終わる」と話すのも、決して大袈裟ではないだろう。
とはいえ、漠然と不安を抱いていても仕方がない。我々は具体的に、どんなことを備えておくべきか、次回はそのあたりを詳しく聞いていきたい。