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「やれることはすべてやった」8カ月でONEアトム級世界王者へ


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この日は冷え込みも厳しく、「寒いので、ジムに入りましょう」と名高さんが案内してくれた。話題は自らの競技生活のお話へ。



――11月には、ONEアトム級ムエタイ世界王者を獲得されました。あらためて、そこに辿り着くまでの日々はどうでしたか?
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名高 まず今年3月に、ONEの日本大会の舞台に立てたことが、何よりありがたかったですね。多くの方に支えていただきました。エイワスポーツジムで毎日トレーニングを重ねて、グローブからオープンフィンガーにスタイルが変わるなど、不安もありましたが「やれることはすべてやった」と思える状態でリングに上がれたと思います。



リングに立ってみると想像以上に体が動いて、デビュー戦を内容のある勝ち方で取れたことは、大きな自信になりましたね。これまでムエタイで積み上げてきたものが、ONEでも通用した。その実感が、2戦目、3戦目へとつながったんです。

初参戦から8カ月でタイトルマッチ。外から見れば順調に見えるかもしれませんが、これまでで一番濃い時間だった。海外からの反響も一気に増えて、特にタイでの反応は大きく「ちゃんと届いている」と実感できました。



――2026年はどんな展望を描いていますか?

名高 大きなケガもなく、すぐ次に向かえる状態です。試合はどんどんしたい。ただ、これからは防衛戦。挑戦者ではなく、王者としての戦いになります。次はしっかりKOで防衛したいし、そのためにパワーやフィジカルもさらに高めていきたい。まずは防衛戦で「いい勝ち方で守ること」に全力で向き合っていきます。



――来年で25歳。一つの節目でもありますが、意識することはありますか?

名高 正直、高校生の頃は「25歳ってもう完全に大人だな」と思っていました。でも、いざその年齢が近づいてみると、気持ちは驚くほど変わっていないですね。

ただ、そのままでいいとも思っていなくて(笑)。自分は割とだらしないところもあるので、少しずつでも、年齢に見合う人間になっていかなきゃなとは感じています。



――名高さんが思い描く、30、40代の自分像はありますか?

名高 結婚して家庭を持って、子供がいて不自由をさせないくらいの経済力をきちんと持っていたいですね。

その頃には、現役は引退していると思いますが、ムエタイや格闘技そのものが本当に好きなので、競技から離れて終わりとは考えていません。引退後も、その魅力を伝えて、広げていけるように関わっていたいと思っています。

30代は思っているほど遠い未来ではない。だからこそ今、引退後のセカンドキャリアについても、少しずつ真剣に考え始めています。人生をちゃんと描くことが、これからの自分にとって大事なテーマですね。




世界王者という肩書きよりも、吉成さんが大切にしているのは、今日をどう過ごすかという感覚だ。未来も勝利も誇張しない。目の前の一日と向き合う、その姿勢が強さにつながっている。これから彼が、どんな成長を遂げていくのか。まだ見ぬ一面に、期待が膨らむ。

河合克成(125 inc.)=写真 池田鉄平=取材・文

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