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優れたプロダクトを生み出す 使いたいモノをつくるという哲学

店内に設けられた「ReBIRD™ サービスセンター」では、プルタブやドローコードの交換といったクイックリペアに加え、ロックミシンによる補修なども可能な限りその場で行う(※予約優先)。

店内に設けられた「ReBIRD™ サービスセンター」では、プルタブやドローコードの交換といったクイックリペアに加え、ロックミシンによる補修なども可能な限りその場で行う(※予約優先)。


「アークテリクスの本社にはデザインセンターがあり、アクティビティ別にデザイナーがいます。彼らは担当するアクティビティを自ら実践、サンプルをテストし、改善することで製品を完成させます。創業時より自社工場を所有しており、現在も本社近くにARC’One(アークワン)という自社工場を構えています。こうした充実の体制こそ、妥協なき製品開発の背景なのです」

欧米のアウトドアブランドには、プロダクトデザインを専門業者に外注するブランドも少なくない。だが、アークテリクスは創業以来、自社内でのデザインを貫く。それは“自分たちで使いたいモノをつくる”という、創業の礎となった哲学に基づいているのだ。

見た目だけの装飾性や流行とは一線を画す、そうした確固たる信念こそが、信頼に足るプロダクトを生むのである。さらにアークテリクスにはもうひとつ、製品開発の指針となる哲学があると、高木さんは言う。

「アークテリクスは常に長く使えるプロダクトづくりを目指しており、その哲学を表すのが“Design to Last”という言葉です。例えばレインウェア用の素材は、現在は多くの種類があります。そのなかでもゴアテックスを採用するのは、耐久性に最も優れた防水・透湿性の素材だからです。そうした素材選びに限らず、使用する部材を1種類にし、シンプルなデザインにするなど、現在ではデザインの段階からリペアをしやすいように工夫されています。それもプロダクトを末長く使っていただくためなのです」

こうしたプロダクトを長く使うという哲学は、新店に設けられた「ReBIRD™ サービスセンター」に集約されている。

同センターでは破損したウェアやギアのリペア受付をはじめ、アフターケアといったプロダクトの寿命を最大化するための総合的なプログラムを案内。設置された洗濯・乾燥機により、ウォッシュサービスや正しい洗濯方法のレクチャーも受けられる。

それもまたプロダクトの寿命を延ばすためだという。

洗濯・乾燥機を設置し、プロダクトを預かって洗濯するサービス「テックウォッシュ」も受け付ける。また製品ごとに日ごろのメンテナンス方法もレクチャーしてくれる。

洗濯・乾燥機を設置し、プロダクトを預かって洗濯するサービス「テックウォッシュ」も受け付ける。また製品ごとに日ごろのメンテナンス方法もレクチャーしてくれる。


「“機能性が損なわれるため、ゴアテックス アパレルは洗わないほうがいい”といった話を耳にしますが、それは誤解です。実際には、洗わないと汚れや油分で繊維が寝てしまい、逆に撥水性が落ちてしまうのです。そればかりか、生地の構造自体に劣化が起こり、機能回復の基準に満たなくなることで、修理をお受けできないケースがあります。だからこそ、洗濯を含めた正しいアフターケアが重要なのです」
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