ゆっくりでいい。彼女が描く将来像

ディフェンダーの中で考えてきた時間は、きっと“これから”にも結びついているはずだ。アスリートとしては、オリンピックの銀メダル、WNBA挑戦、Wリーグ優勝やMVPなど、数々の経験を重ねてきた。今、どんな理想や未来像を描いているのだろう。
「大きな目標を掲げて『ここを目指します』というよりは、今は“目の前”に集中したいという気持ちが強いです。現役がどれくらい続くかはわからないですが、停滞せずに、少しでも進化していたいですね」。

その思いは、誰かのために走る理由へと自然に向かっていく。
「以前から“子供たちに希望を与えたい”というのが私のテーマとしてありました。自分の姿を見て、『背が小さくても頑張れるんだ』とか、『挑戦していいんだ』と感じてもらえたらうれしいです。
今は若い選手がどんどん出てきてるし、リーグ自体ももっと身近な存在になれると思っています。だからこそ、自分としても良いパフォーマンスを続けていくことが、女子バスケの未来につながると信じています」。
静かに語るその声に、町田さんの真っすぐな思いが見える。彼女がこの先、どんな景色を見せてくれるのか楽しみだ。