これまでをなぞったら、成長できない焦りも

今年をひとつのターニングポイントと捉え、未来を見据えた岩田さんが、これまでの自分を述懐する。
「芸能の世界に足を踏み入れて15年以上が経ちますが、かなえていない夢はないんじゃないかというくらい、やりたいことをずっとやらせていただきました。表舞台に立つ表現者としてだけでなく、ブランドのプロデュースといったモノづくりの経験もしています。これは本当に恵まれていると感じています」。
革靴ブランド「ナード マインド」をプロデュースしたり、ストリートカルチャーを発信するアパレルブランド「ゴッド オンリー ノウズ」を展開したりと、ショービズ以外のさまざまな活動も続けている。
「現状に満足をしてしまうと、挑戦はできない。挑戦にはパワーを使いますから。自分は少し枯渇しているくらいがちょうどいいので、それが挑戦への原動力になっています」。

冒頭の海外志向も、そうした岩田さんの挑戦への思いの表れなのだろう。
「キャリアを重ねて、技術が追いついてきたフェーズに入ったからこそ、その経験を使うことが、これまでと同じことの繰り返しになってしまう焦りもありました。従来の仕事をなぞるようにこなしてしまうと、もう成長できなくなるような気がしたんです。だから、苦手なことにも挑戦したい」。
今までの活動から次のステップへ踏み出したのも、そうしたリセットの時期に重なったのかもしれない。
「新しい自分を開拓していけるように歩み続けたいです。もしかするとどこかで諦めてしまうかもしれませんが」。
旅に出て、自分を成長させるのが、岩田剛典にとってのウェルビーイングアクションのようだ。
OCEANS 1月「街角パパラッチ」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!