岩田剛典(いわたたかのり)●1989年、名古屋市出身。俳優、パフォーマー、 アーティスト。俳優としては、NHKドラマ『虎に 翼』をはじめ、多くの作品に出演。ソロアーティ ストとしてアルバム「SPACE COWBOY」のリ リースやライブなど、精力的に活動。
「生きることに対する考え方が変わったのが、今年かなという気がします。仕事が空くのを恐れて、いただいた仕事は受け続けて突っ走ってきたんです。ところが、去年末くらいから〝このままでいいのかな?〞って。今年で36歳になるんですが、〝新たなチャレンジもしてみたい〞って思い始めたんです」。
実際、パフォーマーとしてだけでなく、俳優業、ソロアーティストといった多岐にわたる活躍は、我々がお茶の間で頻繁に見てきた岩田さんそのもの。駆け抜けてきたことは間違いない。
「海外志向が強くなったんです。端的に言うとアジアですね」。
実際、岩田さんは韓国テレビ界にも進出しており、活躍の場を広げている。
「こうした状況の変化は何かのサインかな?って思い始めました。日本で詰め込んできた仕事を少し減らして、海外での仕事の準備などにも時間を割きたい。だから、もっともっと旅に出て、外の景色を見てみたい」。
長いキャリアのなかでも、岩田さんにとって「初めてのこと」なんだとか。
「心配性で休むと落ちていっちゃうと感じるタイプでしたから。でも、海外に出るようになってからは、〝これまで歩んできたものだけが道じゃない。自分にも新しい道がある〞って思えるようになったんです。ギアを変えるのは、結構勇気がいるんですけど」。
語学や文化の吸収など、時間をかけて〝自分磨き〞に充てているそうだ。これまでは、がむしゃらに、ある意味で前すら見ずに突っ走ってきた岩田さんが、〝前を見て〞着実に歩み始めている。
リラックスできるのは、〝絵を描くこと〞
何かと仕事で根を詰めがちだと察せられるが、岩田さんにとっての完全なリラックスタイムはどんなときか?
「絵を描くこと、なんですよ」。
意外な回答だった。
「アクリルとペンキを使ったアートワークですね。気がつくと6時間くらいは没頭しちゃいます。時間ができたらいつも描きたい気持ちはあります。というのも、俳優として役に入っているときは、家でも台本を読んだりして、完全にオフにはならない。本当のオフは、仕事と仕事の合間です。ただ、絵を描いているときは、心が解放されるんですよ」。
ちょっと、格好いい。もっと気の抜けた瞬間はないのかと突っ込んでみた。
「もちろん、ぼーっと動画を見たり、ゲームをしたり、という時間もありますよ(笑)。あとは、気の合う友人たちと一緒にご飯を食べるのも、大事なリラックス時間ですね。とにかく休めるときはしっかりと休みます」。
こんなオン・オフの切り替えが、多彩な岩田剛典を支えている。
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