クラシックな趣のコートを、軽快な着心地にモディファイ
メンズクロージングのコートは、もとを辿ればミリタリーやワーク、アウトドア由来の実用服である。耐久性に優れた生地を使って、頑丈に仕立てるのが基本。それゆえの固い着心地や重量感は、ある意味アイデンティティの一部といえよう。
とはいえ街で着るのなら、できればストレスフリーなほうがいい。見た目は本格派、着心地はコンフォタブル。そんなコートが欲しいのだ。
まずはバルマカーンコートから。生地に本来使用されるのは、目の詰まったコットンギャバジンや地厚なツイードといったタフなもの。こちらのコートも一見したところ、オーソドクスなネップツイードのようだが……。
コート11万円、 ニット3万9600円、パンツ3万9600円/すべてヒステリックグラマー 03-3478-8471
肉厚でハリがありながらも、着心地は軽快そのもの。秘密は生地にある。経糸にリサイクルウール糸、緯糸にシルクネップ混合糸を使用。つまりウールのほかにナイロン、シルク、ポリエステルをミックスした生地だからだ。
ドロップショルダーのシルエットや、肩幅と胸幅にゆとりのあるサイズ感も、都会的で今っぽい印象を生む要因である。

そして後ろ身頃には、「空白の」という意味を持つ“BLANK”の英字が刺繍されている。パンクロックの歴史において重要な楽曲、リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズの「BLANK GENERATION」(77年)から引用したものだとか。ヒステリックグラマーらしい遊び心である。
さてもう一着は、コーデュロイのランチコートをおすすめしたい。
コーデュロイの表地にボアの裏地。フロントの留め具は味のあるレザー。いかにもワークアイテムといった、ラギッドな佇まいが特徴だ。
コート11万円、シャツ5万600円、カットソー1万5400円、デニム6万9300円/すべてヒステリックグラマー 03-3478-8471
ところがこのランチコートもまた、実に快適な着心地なのだ。何より見た目以上に軽い。その理由のひとつが中綿。冒頭で紹介したベストと同じ、「プリマロフト ブラック インサレーション ライズ」を使用しているのだ。軽量かつ保温性に優れた高機能素材である。
通常のランチコートよりも着丈を長めに設定し、あえてルードな雰囲気を演出。ネルシャツ×ブルーデニムという王道のアメカジに、ベストマッチするアウターといえよう。
今季のヒステリックグラマーからピックアップした、今着るべき“プラスα”を備えたアウター6選。どれを選んでも、必ず満足できるはずだ。
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