OCEANS

SHARE

人件費を抑えて海ごみを回収する「サーキュラーブルー™」

サーキュラーブルー™とは、端的にいえばライノシールドが作り出した“海のお掃除ロボット”だ。「自律型探索ドローン」「水面船」「母船プラットフォーム」の3つの連携システムで、シンプルながら効果的に海洋ごみを回収する。その仕組みは次の通り。

無人の探索ドローンが海面のごみをAI視覚システムで探して、GPSでその位置を特定し、水面船に信号を送る。水面船は探索ドローンの指定位置まで航行し、対象の海洋ごみを回収して母船プラットフォームまで運び、母船プラットフォームが水流ジェットでその海ごみを集める。海に浮遊する母船は太陽光発電で24時間稼働が可能。海岸線に流れ着くプラスチック廃棄物を、海岸線で効率よく除去するという画期的なシステムなのだ。

18か月にわたる開発と120万米ドル以上の投資を経て、今年6月にプロトタイプとなる初号機「破浪者(ChangeMaker)」を正式に発表

18か月にわたる開発と120万米ドル以上の投資を経て、今年6月にプロトタイプとなる初号機「破浪者(ChangeMaker)」を正式に発表。


「海をきれいにしたい。その思いをかなえるのが難しいのは長期戦になるためで、それだけ人件費がかかるからです。しかし『サーキュラーブルー™』なら、最小限の人的リソースによる海ごみ回収が見込めます。また、母船の下部は清掃用にモジュール化されていますが、上部はカスタマイズが可能。アコモデーションにしたり、飲食や小売などの商業スペースとして収益を生み出し、運用コストに充てることができるのです」

慈善事業になりがちな海洋クリーンナップの持続可能性をビジネスで担保する。それがサーキュラーブルー™に備わる、もうひとつの特徴だ。

母船、探索ドローン、水面船による連携システムで海洋ゴミを絶え間なく回収する「サーキュラーブルー」

母船、探索ドローン、水面船による連携システムで海洋ごみを絶え間なく回収する「サーキュラーブルー™」。


「現在はプロトタイプを台南エリアで稼働させ、コストを抑えながらごみ回収量を最大化するための実証実験をしています。稼働を本格化させた後は、東京や大阪をはじめ、世界中の海に浮かべて海ごみを回収していきたいですね。実は海ごみの60〜70%は川からの流入物で、残りの30%ほどは船が洋上へ出たときに発生するものだといわれます。だからまず前者を回収すれば、海ごみの大きな問題は解決できると考えています」

プラスチックを中心とする海ごみの回収後は、それらのリサイクルも視野に入れる。ゆくゆくはバージン・プラスチックの使用率を減らし、グリーンな“未来のプラスチック”自体を調達できる体制へ。そうしてプラスチックをマネジメントしていこうと、彼らは本気で考えている。


6/6

次の記事を読み込んでいます。