足のニオイを防ぐ夏十則
[1]ニオイの原因を知る足のニオイの発生を防ぐには、ニオイが発生するメカニズムを正しく理解するのが先決だ。「足のニオイが発生しやすくなるのは、皮脂と汗(湿気)、垢という3つが揃ったときです。
足の皮膚常在菌がそれらを分解する過程で、悪臭を発生させるイソ吉草酸(いそきっそうさん)という有機酸などが発生します。この物質が足のニオイの主な原因となるのです」。
[2]「ニオイ知らず」になるなかれ知らず知らずのうちに周囲に迷惑をかけないためにも、足のニオイとは具体的にどんなものかを知っておくことが肝心だ。
「イソ吉草酸のニオイをたとえるなら、古い雑巾や納豆、チーズなど。嗅いだ瞬間に、『これは足だな!』とわかる独特かつ強烈な刺激臭です」。なお、イソ吉草酸は工場などから発生する悪臭を規制する法律でもニオイ物質として分類されているのだ。
[3]石けんで足を洗う習慣を「足のニオイを防ぐいちばんの方法は足を洗うこと。帰宅したらすぐに洗う、を心がけて。シャワーで流すだけだと足の汚れは落ちにくいので、石けんを使って洗うのが肝心。汗や垢が溜まりやすい足の指の間を入念に洗いましょう。
きめ細やかな泡状の洗浄料を使えば、洗い残しを減らすことができます。洗浄後は足に湿気が残らないようきちんと拭いて乾かすことを忘れずに」。
[4]爪や角質を見逃さない爪と角質はニオイのデンジャラスゾーン。「爪の間や爪の下に溜まった皮脂汚れは菌の繁殖を促し、ニオイのもとになります。足の爪を切ったり、専用ブラシで洗浄したり、定期的なケアを行いましょう。
また、角質も細菌のエサになるので要注意。特にかかとや足裏の硬い皮膚は雑菌の温床になりやすいので、角質ケア成分入りの洗浄料やスクラブでケアを」。
[5]靴は中1日以上のローテーションで「足の裏には汗を分泌するエクリン汗腺が密集していて、体の中でも発汗量が多い部分です。ですので、一日中履いた靴はどうしても湿気が残りがち。そのまま履いて出かけると、皮膚の常在菌による分解が進み、ニオイの原因物質が発生しやすくなります。
対策としては同じ靴を2日連続で履かないこと。休ませた靴は風通しのいい場所に置いて乾かしておきましょう」。
[6]靴やソックスは速乾性を重視する靴内の湿気によってニオイの発生率は高まるため、靴を選ぶ際は通気性を重視したいところ。「靴の場合は蒸れがこもりにくいデザイン、そしてつま先部分に若干の余裕のあるものを選択すれば通気性を確保することができます。
靴下も速乾性のある素材を選びましょう。加えて5本指タイプなら、指と指の間の汗を吸収することで、靴内の蒸れを防ぐ効果が期待できます」。
[7]素足で靴を履くなかれ前述したように汗を排出するエクリン汗腺は足の裏に多く分布している。「素足で靴を履くと、汗や皮脂が靴の内側にダイレクトに付着&蓄積するため、ニオイの発生リスクが格段に高まります。汗を吸収させるという意味でも、靴下ははいたほうがいいと思います」。
水洗いできる靴ならともかく、ニオイを防ぐという観点では、素足履きは避けたほうが無難なのだ。
[8]応急処置は靴下チェンジと制汗スプレーで出先で靴を脱ぐことになったとき、ふと頭をよぎるのが足のニオイ。応急処置はどうすれば?
「いちばん手っ取り早いのは靴下を新しいものに履き替えることです。それでも気になる場合はウエットティッシュで足の指の間を拭き取り、さらに有効成分を含む医薬部外品の足用制汗剤を使えば、ニオイ対策が期待できます」。
夏場はバッグに予備の靴下をしのばせておくのもよさそう。
[9]サンダルを過信することなかれ通気性に優れた靴でニオイを防げるなら、サンダルはベストであるはず。「湿気がこもらないサンダルは確かにニオイ対策には有効です。とはいえ、ずっと履き続けると、皮脂や汚れが付着して、結局ニオイが発生してしまうことも。清潔に保つことを心がけましょう」。
サンダルは肌が露出することもあって、足のニオイも広がりやすい。サンダルだから無臭と過信するのは危険なのだ。
[10]着脱可能なインソールを活用すべし靴を洗ったのに、なぜかニオイが取れない。調べてみると、汗で湿ったインソールがニオイの元凶だった、というケースも少なくない。
「インソールを着脱できる靴を選ぶのが賢い手段。消臭機能のついた別売りのインソールも使うこともできます」。
干して乾かすだけでもニオイは軽減できるが、水洗いができれば言うことなし。優れたインソールはニオイのクッションにもひと役買うのだ。
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