「トッププロが数珠つなぎ!『俺たちレーメン's』」とは……
夏に恋しくなる冷やし麺。食欲の落ちるこの時季、麺界のスペシャリスト5名が選りすぐりのラーメンを”冷やし”に絞ってご紹介。メニューはいずれも期間限定なので、記事を読んだら今すぐ足を運ぶべし!
食欲も減退するほどの酷暑……こんな時季こそツルッといける「冷やし麺」はいかが?
そこで今回はラーメン界のスペシャリスト5名が、数あるラーメン店の中から今だけ限定で味わえる選りすぐりの逸品を厳選!数珠つなぎでご紹介する。第1弾はラーメン業界の新星、さぴおさんの”マイベスト冷やしラーメン“をお届け!
【写真18点】「ラーメン業界人のマイベスト冷やしラーメン」の詳細を写真で見る 案内人はこの方!
さぴお●1991年生まれ。2017年2月からラーメンを食べ始める。主要エリアは都内が中心。年間800杯程のペースで、これまで食べたラーメンは3800杯以上。「ラーメンデータベース」で主に活動し、2021年、2022年のアクセスランキング全国1位を獲得。X@nanairo_za
どうも、さぴおです。2017年から都内を中心にラーメンを食べ始め、これまでに3800杯以上を“食破”しました。ご当地ラーメンやスタミナ系が特に好きで日々食べ歩き、口コミサイト、「ラーメンデータベース」にて主に活動しています。
年中ラーメンばかり食べている僕ですが、夏に熱いラーメンをすするのは、正直辛いときがあります。そんなときに涼を求めて頼むのが、「冷やしラーメン」。ひんやりと美味しいのはもちろんですが、煮干などの魚介素材がクリアに味わえるのが大きな魅力です。
よって、冷やしラーメンは普段は淡麗な醤油や塩を提供するお店に多くある、というのが僕の印象です。一方で、アツアツのスープに濃厚な味噌スープが魅力の味噌ラーメン店による冷やしラーメンは、ラーメンマニアの中でもあまり馴染みがないかと思います。
今回はその特徴を逆手にとり、「夏場に弱い味噌ラーメン店」では、どんな冷やしラーメンを提供しているのか? というテーマをもとに実食してきました! 僕が見つけた今夏の「冷やし×味噌」メニューを3杯ご紹介したいと思います。
マイベスト① 田所商店の「冷や汁味噌らーめん」

1軒目は「麺場 田所商店」。2009年に創立した味噌の醸造元に端を発する、株式会社トライ・インターナショナルがチェーン展開する味噌らーめん専門店です。
「なんだ、チェーン店か……」と侮ることなかれ! 田所商店は「味噌は日本人の宝物」というポリシーのもと、日本の伝統的な味噌文化を現代に伝えることを使命とし、味噌メニューオンリーで勝負している素晴らしいお店なんです。
味噌ラーメンとひと口にいっても、北海道味噌、信州味噌、九州麦味噌、伊勢味噌、江戸前味噌と、各地の味噌をメニューによって使い分けているのが同店の特徴。つまり、味噌ラーメンのテーマパークのような存在なのです。

今回僕が注目したのは、甘めの宮崎麦味噌を使用した「冷や汁味噌らーめん」。宮崎県の郷土料理「冷や汁」を冷やし味噌ラーメンに落とし込んだ意欲作です。
2024年の7月に限定で提供されていましたが、好評につき今年は4月末から一部店舗にて提供開始しています。今回は府中若松町店にて実食。
「冷や汁」とは、冷やした味噌汁に焼いた魚のほぐし身や、きゅうり、みょうが、大葉などの薬味を温かいご飯にかけて食べる料理。ひんやりとした味噌ベースの汁をご飯にかけることでサラサラと食べやすくなります。失われた塩分チャージ、夏バテ防止にも最適な夏の味ですね。

スープを口に含んだ瞬間に冷涼な美味さが広がるこの「冷や汁らーめん」。アジやイワシの魚介出汁が強めに効いていて、宮崎味噌の甘さと、深い香りが調和しています。飲み込んだあとに残る清涼感と、味噌の芳醇な香りが鼻の奥を通り抜けていきます。
本場の冷や汁は味噌汁に近い味わいのようですが、ここの「冷や汁らーめん」は出汁が強めで、麺メニューとして完成しています。トッピングには焙ったサバのほぐし身、大葉、みょうが、キュウリ、トマト、豆腐、白胡麻など、夏の薬味が盛り沢山。特にサバは塩気と香ばしさがあり、旨味を強く感じられます。

氷水で〆られた麺は、グニっとした力強い弾力。この麺とサバのほぐし身を一緒に食べると塩気がちょうどよくなります。ぜひお試しください。
ラストは別途注文していた「小ライス」に、ラーメンのトッピングとスープをかけてセルフ冷や汁を制作。ひんやり味噌に薬味とサバ。ライスとの相性は言うまでもありません。
別注文したライスで作ったセルフ冷や汁に、単品注文の「炙りさつま揚げ」をトッピング。
府中若松町店は8月まで提供してますが、一部店舗限定メニューです。提供店舗、時期をよく確かめて足を運んでいただければと思います。
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