⾃宅でのリメイクタイムはくつろぎのひととき
久保⽥さんは先⽇フィリピンへ旅⾏に⾏った際、現地で毎⽇2万歩ぐらい歩いたのを機に歩くことの楽しさに⽬覚め、帰国後も歩きまくっているという。
そんな少し細っそり&⽇焼けした久保⽥さんに、今回のテーマである「リメイクアイテム」について聞いた。
この⽇は晴天に恵まれたことから、ご自宅のテラスでインタビュー。ワコマリアの新作シャツが春の⽇差しに不気味に映えていた。
「リメイクやカスタムは昔から好きで、気が向いたらやっています。⾃宅で読書をしたり、⾳楽を聴いたり、絵を描いたりするような感覚ですね。昔はミシンを使ったりしていましたけど、今は裁縫道具でできる範囲でやっています。
仕事のことも⼀切忘れて無⼼になれるので、⾃分にとっては息抜きというか、娯楽に近い。若⼿のときはお⾦がなかったので、服が破れたりほつれたりしたときに必要にかられてやっていましたけど」。
⾼価なブランドものからレアなTシャツまで、気になったらとにかく⼿を加えるのが久保⽥流リメイク。

「気に⼊って買ったものの、少しでもしっくりこない部分があるととりあえずリメイクしちゃいます。たとえばTシャツやパンツなら、サイズ感やシルエットが気に⼊らなければ⾃分でリサイズしますし、スニーカーなら⾊を塗ったりもします」。
素⼈が⾃分の⼿でリメイクをするとなると難易度が⾼そうだが、「誰でも簡単にできますよ」と事もなげに語る。
「たとえば今回ご紹介するカーディガンのボタンは、ささっと並縫いをしてから⽟⽌めをするだけなので超簡単。これだけでアイテムの表情ががらっと変わるので、ぜひ試していただきたいです」。
普段使っている裁縫道具は、昔から愛⽤しているもの。被服検定1級の取得者らしい本格的なものだ。
久保田さんが感じるリメイクの魅力は、作業中にリラックスできること、そして手を加えることで“心から納得できる一着”に生まれ変わることだという。
これまで、スニーカー界隈に⾒られる“プレミアムモデル信奉主義”や古着業界に蔓延する“レアもの偏重主義”など、ファッショントレンドを無節操に追う傾向に対し、あえてことごとく辛辣な見方をしてきた久保⽥さん。
まだアップトレンドではないリメイクアイテムを推す理由を聞くと、「もちろん既製品をそのまま着たりもしますけど」と前置きしつつ、強めの毒を吐く。
貴重なヴィンテージTシャツに対し、何のためらいもなく⼯具を使ってプリント部分を削り落とす久保⽥さん。⼯具以外には、やすりなども使うそう。
「『せっかく買った⾼価なものをなんでいじるのか』って聞かれるけど、俺は⾃分で納得できないものをそのまま着る⽅がダメ。
別にそれでもいいという⼈はいると思うけど、それだと単なる⾦だけ持っていてセンスがない⼈と同じだし、たとえ⾼価なものでなくても『はい、そうですか』とそのまま受け⼊れるのもどうかと思いますね」。
今⽉も⾆鋒鋭く猛毒を吐いていだだきました。これ、通常運転。
「何でもかんでも公式に当てはめればいいというものじゃないでしょう。たとえばテレビに出るとき、たいていの芸⼈はスタイリストさんに⾐装を用意してもらいます。
でも俺は基本的に全て⾃前。え、なんでかって!? ⼤⼈なんだから、⾃分が着るものくらい⾃分で選べよ、アレンジしろよっていうことですよ! ⾃分を少しでもカッコよく⾒せたいなら、与えられたものを黙って着るんじゃなくて、似合わないと思えば⾃分で⼿を加えるのが普通でしょう」。
この日の服装ももちろん全て私物だ。
「テレビに出るから⾐装をお願いしなきゃっていう、そういう公式に囚われるなと。ファッションの公式くらい⾃分で作れよと⾔いたいですね。俺は今後も“久保⽥式”でいってやりますよ!
え、『お前の場合は⾐装代をケチってるだけだろう』って? それはまた今度詳しく話しますから」。
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