地球に優しい洋服の循環システム構築を目指す
底引き網漁では魚と一緒に海洋ゴミも引き揚げてしまう。本来これらは有料廃棄物となり漁師は負担を強いられるが、エコアルフはボックスを船上に設置して回収している。
最後に興味深いデータを教えてくれた。洋服の購入を決める条件の上位に、国内では価格やデザイン、機能性がくる一方、海外では製造工程や国際認証の有無なども重視されるというものだ。
まさしくこの点に、エコアルフに似た国産ブランドが見られない理由がある。日本においては、それらの商材でビジネスを成立させることが難しいのである。
だが環境に優しい商品は、日本の技術力をもってすれば生産できると下川さんは言う。つまり購入に対する生活者の意識が変わり、国際レベルに追いつくことができれば、洋服を取り巻く状況は新たなフェイズに到達すると言っていい。
壁・什器・床には、漆喰をはじめ廃材などによる木材、スチール、山や海に漂着した石など再生可能な資源を素材に用いた新宿髙島屋店。そのほかブランドの世界観を体感できる常設店は、札幌、京都、大阪など国内に6店舗を展開している。
エコアルフも転換期がやがて訪れることに期待しつつ、みずからは生活必需品として、あらゆる人の日常に存在するため自身の課題と向き合っていく。
それは、海洋ゴミから作られた洋服やライフスタイルアイテムが長年着用されたのちにゴミとなる……という流れを止めるサーキュラーエコノミーの完結。
使い終えたら使えるものに変えていく“地球に優しい洋服の循環”を、ブランド内で構築しようとしているのだ。
OCEANS 7月「されど、Tシャツ。」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!