異業種や若い世代とつながりメッセージを広く伝えていく
当初3人の漁師とともに始めた海洋廃棄ゴミの回収活動は、2015年から24年までで累計約1700トンもの海洋ゴミを回収した。また24年には世界74カ所以上の港で約4000人以上の漁師に協力を得るまでにプロジェクトは広がりを見せた。
ブランドの哲学を広く伝えるため、環境活動に取り組む自動車メーカー、家電メーカーなど、他業種の企業とのコラボも行ってきた。
今もその一端に触れられるのは新宿髙島屋店。同店ではトヨタ自動車から提供を受け、廃棄予定のエアバッグの生地を店内のソファシートにアップサイクルするなど、異業種3社の協力から資源活用や環境問題に向き合う姿勢を表現している。
「エコアルフの魅力は、ファッションブランドなのだけれども“地球環境を変えていきたい”という思いの具現化を目指す事業であること。この事業を推進するうえで、同じ思いを抱く異業種の方々とのつながりは大切にしていきたいと考えています」と下川さん。
続けて「今後もそれぞれが抱える悩みを業界の垣根を越えた掛け算で解決していきたいですし、相互の顧客が交流していけるコミュニティなどもつくれるといいですね」と言った。
海洋ゴミから新たな洋服を作る要が「OCEAN YARN」の存在。その生産は、プロジェクトが大きくなった今でこそ協業先への委託もあるが、当初は自社ですべてを賄っていた。
また、これまでもアウトドアスポーツのプレーヤーが環境意識を高く持ったり、フィロソフィーを含めて心を寄せるアウトドアブランドを日常から愛用する流れはあった。しかし最近は、世間の意識がもうひとつステップしたような気がしていると下川さんは言う。
食や健康などを通してウェルネスへの意識が高まり、洋服においても同じような世界観を求めてエコアルフにたどりつく。そのような人が増えているというのである。
さらに、環境への優しい姿勢は世代をも超えて関心を惹きつけている。令和の時代に学校教育を受ける学生の中には高い環境意識を持つ人が多く、若い世代の来店が少なくないのだ。
「本当に驚くのは、Z世代やそれより下の若い世代の方々からアプローチをいただくことです。今日も17歳の高校生がお店にいらっしゃいました。授業で学ぶ環境問題や、普段から耳にするSDGs関連のニュース等で環境への関心を持ち、足を運んでくれたようなんです。
今までもそのような学生とプロジェクトを行ってきました。彼らが考えたメッセージを表現したTシャツを作ったり、一緒に回収した資源でプロダクトを作ったりしたのです。学生とのコミュニティは将来性をはらみますし、これからも良い関係性を築いていきたいですね」。
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