「珍稀車図鑑」とは……車を愛し、車に人生を捧げた男、エスアンドカンパニーの鹿田能規さん。カーカスタムのプロである彼が今回語っていただくのはカーラッピングの世界。プロから見たその魅力を深掘りしていこう。
【写真10点】「最新カーラッピング事情をプロが解説」の詳細を写真でチェック 案内人はこの方!
鹿田能規さん●関西と関東に拠点を構えるエスアンドカンパニー。スーパーカーからノスタルジックカーまで車作りの第一人者として全国にその名を馳せる。www.s-company.j
ども。珍稀車ハンターの鹿田です。今回は文字どおり愛車を自分色に染めるための、カーラッピングについてお話しようと思います。もうね、最先端は大変なことになってます。
カラーラッピングとはなんぞや?
まずは「カーラッピングとはなんぞや?」から。カーラッピングとは専用フィルムを張り付けて、愛車を好みの色や質感、素材感で自己表現するカスタム方法です。
例えばこのピンクのSクラス。元の色はグレーです。
3M社の2080シリーズのラッピングフィルムです。これはハイグロスルビーロッソという色。
ボンネットはまた違う色です。このように2人がかりで張っていきます。
バブル時代に一躍有名になったポルシェ911のルビー・ストーン・レッドを彷彿させるようなピンクです。このピンクのメルセデス・ベンツSクラスなんて、可愛いなと思います。
このようにカーラッピングは、ボディカラーを好みに変えることができ、元色に戻すには剥がせばいいだけなので、塗装より手軽にチャレンジできるカスタマイズです。
ドアを開けると元色がグレーだとすぐわかります。
このSクラスの場合、ドアの内側までは張られていませんでしたが、こちらのランボルギーニ ウラカンはばっちり張られています。ドアを開けても元色がなにか分かりません。
INOZETEK(イノゼテック)のラッピングです。
ドアを開けて、奥をのぞき込むとちらっと黄色がみえますよね? そう、黄色がこのウラカンの元色です。
施工にもテクニックのいるラッピングフィルムで、色も光沢も、ぱっと見は塗装です。言われなかったらわからないでしょうね。カーラッピングの世界は、今や「塗装に追いつけ、追い越せ」なんです。どんどん技術が進化しています。だからメーカーにとっての褒め言葉は「塗装かラッピングか、わからへんな」です。
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