なかなか見ないめずらしいデザインだったので、つい買ってしまった。それでもやはり、時計を着けないおれのライフスタイルは変わらない。月に一度、着けるか着けないかといったところだ。
値段は100万円から1億円までさまざまだ。そんな大金を使うくらいなら一年間バカンスに行けるし、すごい車も買えるし、盛大なパーティーだって開ける。それでもあえて時計を身に着けるって、どういうメッセージだよ。
「どうだよこの時計。お前は持ってないだろ?」とか、「時間を見るたびに、おれが金持ちだってことを確認したい」とか? もしくは「こんな稀少なものを手に入れたんだ」と自己満足に浸る超レアな時計ファンもいる。
そしておれは、時計に大して興味がない人間……だったはずなのに、その店でとびきり特別な時計に出会ってしまった。そしてその瞬間、その時計に恋をした。
そしてどうしたかって?買っちゃったんだよね。
ラムダン・トゥアミ●1974年、フランス生まれ。香水ブランド、オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーを立ち上げ成功に導き、その後LVMHに売却し富豪になる。趣味は買い物。特にヴィンテージの家具に目がない。
OCEANS 6月「トレンドよりも、スタイルを。」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!