
現WBA世界バンタム級チャンピオン・堤 聖也さん。そのアメカジへの思いはボクシングにも勝るとも劣らない。また古着に関しては、試合前であるにも関わらず、ファイトマネーを見越して先にゲットしてしまうほどの心酔っぷりだ。
前編に引き続き、今回はボトムスを中心とした自身のプライベートアイテムとともに、並々ならぬアメカジ愛を語ってもらった。
【写真20点】「リーバイス501XX、フォアモスト…WBA世界王者・堤 聖也の極上デニム3選『“極上のバッタもん”』も好き」」の詳細を写真でチェック 話を聞いたのは……
堤 聖也⚫︎プロボクサー。1995年12月24日生まれ、熊本県熊本市出身。角海老宝石ボクシングジム所属。2018年にプロデビューを果たすと、2022年には日本バンタム級チャンピオンに。昨年10月、有明アリーナで行われたタイトルマッチで勝利し、WBA世界バンタム級チャンピオンの座を獲得した。IG:punch_burger_223
「ストア系も好き」節々に感じるツウな一面

この日の私服は、ほぼデニムのセットアップを主役にしたバキバキのヴィンテージスタイル。
「Gジャンはリーバイス506XX(ダブルエックス)、いわゆるファーストと呼ばれるものですが、その中でもシンチバックの形状などからこれは大戦直後くらいの個体だと思います。
ジーンズはリーバイス501ZXX。しかもレザーパッチ付きというのが珍しい。色みが似ているのでセットアップで着ることが多いですね。両方とも『ジョニー』で買いました」。
知識の深さから、ヴィンテージへの並々ならぬ愛情が既に伝わってくる。

この日のプライベートスタイルを見る限り、堤さんはリーバイスを筆頭とした王道が好きなのかと思いきや、「“ストア系”に目がないんです」と、ここでもツウの片鱗を見せる。
19世紀、リーバイスによってジーンズが誕生すると、労働者を中心に瞬く間に人気を博したのは有名だが、そこで“ストア系”もうぶ声をあげた。当時、その人気にあやかろうと、リーバイスの模倣品が多くのブランドから作られ、大量に出回ったのだ。

「いまで言う百貨店のプライベートブランドのようなもの。なかでも『J.C.ペニー』、『シアーズ』、『モンゴメリーワード』はアメリカの三大ストアと呼ばれていて、それらが手掛けていたアイテムが好きなんです」。
なかなかマニアックな嗜好だが、これには堤さんなりのこだわりがある。

「当時のリーバイスのデニムを”本物”とするなら、模倣して作られたストア系って”偽物”じゃないですか。でもアイテムとしての品質は本家に勝るとも劣らないほど優れていて、なおかつ大衆向けに安価で販売されていた。
どんなにいいものを作っても、所詮は本物にはなれないっていうこの悲しい性(さが)といいますか、不条理な存在に惹かれちゃって。僕は敬意を込めて”極上のバッタもん”と呼んでいます(笑)」。

そんな”極上のバッタもん”を筆頭に、堤さんが所有する渾身のヴィンテージジーンズを紹介していこう。
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