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ファッションメゾンさながら、カルチャー香る鶴仙園



と、スペシャルなイベントの準備が熱を帯びるなか、もう少々の補足を。表参道ヒルズとともに今回の“ダブル主役”を飾る、鶴仙園の魅力を掘り下げてみたい。

創業は昭和5年。以来95年もの歴史を紡ぐ老舗は、「植物を家族のように育ててほしい」という信念のもと、エネルギッシュでビザーレな世界観を発信し続けている。

現在は東京・駒込に本店を構え、池袋にも支店を置く。扱うサボテン・多肉植物は、両店合わせて約1000種。膨大な数の愛らしい植物が、初代から脈々と受け継がれる独自の管理法により活きいきとした状態で店頭に並ぶ。その光景は、まさに圧巻だ。



前述のコロナの影響もあり植物が注目を集めるなか、顧客数はうなぎのぼり。ファッションやアート業界にも熱烈なファンが多く、これまでさまざまなコラボレーションにも挑戦してきた。

伝統と革新を同時に重んじるその姿勢は、著名なファッションメゾンさながら。ユニークなカルチャーの発信基地としては、サロン的な立ち位置にもあるといえよう。



ちなみに、今回のトークイベントに参加する三代目と種市さんは同じ大学の同級生。当時からサーフィンなどで交流を育み、お互いに「ツル」「タネ」と呼び合うほど親しい関係だ。実際に、種市さんは学生時に鶴仙園でお手伝いをした経験もあるらしい。

そんな引く手数多の鶴仙園にとっても、今回のイベントはとりわけスペシャルな存在。三代目のご子息で現在は広報業務などを務める靍岡十夢さんは、「表参道ヒルズでやらせていただく意義は、やはり他の場所でのそれとは感覚が違います」と語り、こう続けてくれた。

「会場のレイアウトや植物の見せ方などを含めて一緒に考えて、ゼロから作り出すという試みが面白い。ぜひご来場いただき、その熱に触れていただきたいです」。
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