60年前に始まった国産ダイバーズの歴史。そのオリジンは、セイコーにあり
冒頭でも伝えた通り、そもそも国産のダイバーズウォッチは、セイコーから始まったことをご存知だろうか? エポックメイキングな初期モデルをピックアップして、その歴史を振り返ってみたい。
まず、1965年誕生のオリジンは、当時としては画期的な150m防水を実現したメカニカル自動巻モデル。
リュウズ部分に二重パッキン構造を採用し、構造的にも日本のダイバーズの礎を築いた。
こちらが、日本のダイバーズウォッチの元祖、「1965 メカニカルダイバーズ」。コンパクトなベゼル、エンボスのインデックスなど、極めてムダのない意匠の機能美は、今見ても完成度が高い。堅牢な作りが評価され、発売の翌年より南極観測隊の装備品として採用された。
そして、初代モデルの発売からわずか3年後、セイコーの技術力でさらなるアップデートを実現し、当時の世界最高水準の10振動ムーブメントを備えた300m防水の「1968 メカニカルダイバーズ」が発売された。
裏蓋のない外装が特徴的で、耐久性の高いハードレックスガラスを採用。独自のケースデザインは、ルックス的にも洗練された印象を与える。
植村直己氏ほか、著名冒険家にも愛されたアイコニックなモデルとしても知られる。
1968年に発売された、裏蓋のない画期的なワンピース構造かつ10振動ムーブメントを備えたダイバーズウォッチ。1970年、植村直己氏・松浦輝夫氏がこの時計を腕に日本人初となるエベレスト登頂に成功。堅牢性を証明した。
国産ダイバーズの幕開けを飾った上の2モデルは、時計ファンならずとも知っておきたい名機。以降に登場した数々の日本のダイバーズウォッチに、多大な影響を与えたことは言うまでもない。
そして、初代モデル誕生からちょうど60年を数える今年、この2モデルを進化させた特別版“プロスペックス”が発売されたのだ。
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