スープの量は半分程度で我慢すべし!
上星川「寿々喜家」のらーめん中。横浜家系総本山「吉村家」の2号店として創業し、独立した「本牧家」にルーツを持つ。
―― 薄い味のスープに酢を入れる、とはどういう意味ですか?家系ラーメンはスープの味を「濃いめ・普通・薄め」から選ぶことができますよね。風邪予防の観点でいうと、味は濃くない方がいいんです。
スープの濃さは塩分の量で決まりますが、塩分摂取過剰になるとミネラルバランスが崩れ、免疫機能が落ちる可能性があります。また、利尿作用もあり、体がむくみやすくなる原因にもなります。
スープの味は「普通」を選び、少し胃が弱ってる場合は「薄め」に。風邪予防の場合はスープの味を濃くするのではなく、お酢を入れて味変を楽しんでください。
―― なるほど。つまり、スープは体にあまりよくないんでしょうか。いえ、そういうことではありません。体を温めることは血管が拡張し、血流もよくなるので、風邪予防にはとても大切なんです。それに、水分自体が血液を流す潤滑油の代わりにもなりますから。
ただ、塩分のとりすぎは注意したいところです。風邪を予防したいなら、スープは半分残すくらいがちょうどいいですね。
管理栄養士が考える風邪予防のベストカスタム
東白楽「とらきち家」の中盛りラーメン。横浜家系総本山「吉村家」の直系店だった「王道家」の系列で、現在は「とらきち家 光」に生まれ変わって営業中。
―― 最後に、先生が思う風邪予防のためのベストカスタムを教えてください。スープは「普通」か「薄め」、麺は「硬め」、油は「普通」でしょうか。あとは卵やネギ、メンマなど、トッピングをたくさん乗せて、にんにくをたっぷり入れて、お酢で味変していきますね。
―― 食べ方の注意点やコツはありますか?糖質の多い麺からではなく、チャーシューや野菜などの具材を先に食べる。そうすると血糖値の急激な上昇を抑えることができます。あとは、繰り返しになりますが、よく噛むこと。そしてスープは半分残し、食後1時間して適度な運動を取り入れたらベストでしょう。
また、食べるなら消化機能がいちばん高まってるお昼がいいと思います。同じものを食べても、夜の方が朝よりも血糖値が倍以上も上がりやすくなるので、時間帯を選ぶとより風邪予防につながりますよ。
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食べたあとになんとなく罪悪感を感じてしまっている人こそ、堂々と家系ラーメン店へ。これは風邪を予防するための義務なのだから。ただ、麺は30回咀嚼を心がけ、スープは控えめにすることも忘れずに。