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「自己否定に留まるか、自己肯定に賭けて出るか」


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2巻はラファウが死んで10年後、オクジーとバデーニっていうふたりが主役を引き継ぎます。彼らがラファウの残した資料が入った石箱を見つけ、「地動説」に出会う。

オクジーはもともと決闘を請け負う代闘士。バデーニはC教の修道士でありながら後世に名を残そうと燃える野心家。バデーニは過去に禁書を読もうとして取り押さえられ、目を焼かれてるんですよね。すごく頭がいいけど、情熱的で、同時にすごい冷たい一面もある。

一方のオクジーは、人はみな罪人で、信仰を守ることで天国に行けるとされるC教の教えを当たり前だと思ってたタイプ。現世より天国を信じてたんだけど、ラファウがそうだったように、異端者の想いを引き継ぐ決定的な瞬間が訪れるんですよ。
異端者 君だって、本当は信じたいだろ? この星は生きるに値する素晴らしい何かだと。
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オクジー ………もういいです。十分だ。バカバカしい…落ち着いて考えれば全て無根拠な妄想だ。

異端者 根拠はある。

オクジー そうですか。だとしても今ここにはない。

異端者 いや、今ここにある。今丁度見えるそこの山だ。すべての証拠はあの中腹に置かれた石箱の中だ――――

さて、事態を理解しているかね。今夜、君達はこれから少しの間だけ、恐らく人生で初めて、自らの運命を変える挑戦権を得ている。一生快適な自己否定に留まるか、全てを捨てて自己肯定に賭けて出るか、どちらを選ぶも自由だ。さァ、どうする?


こんなこと言われたら「ホントどうすりゃいいんだよ」って感じですよね。

で、結局、この異端者はオクジーの身代わりになって殺されます。異端者たちって、死ぬ間際に幸せそうな表情をするんですよ。C教の考えでは異端であることは地獄に行くことを意味するのに。で、オクジーは強烈に心を揺さぶられた。

オクジーとバデーニ、途中から登場する少女のヨレンタによって地動説は完成に近づくんですが、彼らの存在もやがて異端審問官にバレてしまうっていう。
4/5

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