火星の赤い土埃が似合いそうなキアの2台
「PV5 WKNDR EV コンセプトEVバン」
日本では馴染みが薄いけれど、韓国・ヒョンデ傘下のキア(Kia)はアメリカでは人気のブランド。そのキアが、火星探索車のような2つのBEV(電気自動車)を出品した。
まずは「PV5 WKNDR EV コンセプトEVバン」。同社は「車輪の付いたスイスアーミーナイフのようなもの」という。
ベースはトヨタ ハイエースクラスのBEV商用バン&ワゴンの「PV5」で、2025年から生産が開始され、日本でも2026年から販売が開始される予定のニューモデルだ。
宇宙船のように外側へ飛び出るドアは、さすがにベース車には設定がないようだ。
PV5 WKNDR EV コンセプトEVバンのエクステリアは、火星の赤土が似合う未来的なデザインだが、ベース車のPV5の外観自体がそもそも未来的なので、それをリフトアップして幅広タイヤを収めた程度の変更だ。
また車内は、自由に装備品が組み変えられるモジュール式で、キャンプに必要なものを載せる収納スペースを備えたり、車内で食事できるようにテーブルやキッチンセットを組み込んだりできる。
これも、ユーザーの用途に応じて、座席レイアウトや荷室内の形状、ドアパターンといった仕様を選択できるという、商用車のPV5のメリットをアピールしたものと言える。
モジュール式の車内。ソーラーパネルと小型水力発電機も備えているので、帰りの駆動用電力を気にせず、出掛けた先で安心して電気が使える。
つまり、間もなく日本にやってくるPV5は、これだけカスタマイズできるポテンシャルを秘めているってこと。
日本では配送や送迎など、まさに今ハイエースがメインで活躍しているシーンでの利用が見込まれているが、遊び車のベース車としてハイエースが選ばれているように、PV5もまた自分仕様にカスタマイズする遊びの達人たちに選ばれそうだ。
写真左がEV9 ADVNTR コンセプト EV SUV、右がPV5 WKNDR EV コンセプトEVバン。
もう1つの「EV9 ADVNTR コンセプト EV SUV」は、同社の最新SUV「EV9」がベース。全長約5mの大型BEVであるEV9は、2023年からアメリカで販売されている。
EV9 ADVNTR コンセプト EV SUV。ベースは3列シートを備えた大型の電動SUVだ。
こちらもリフトアップして、太いオフロードタイヤを装着しているが、それ以外は最小限の変更にとどめられている。上記PV5同様、個性的なフロント左右の縦に走るライトはベース車と同じ。こちらは残念ながら、日本導入の噂はない。
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