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なぜ、おたつは鏡のなかに入ったのか



批判を含め、フェイクドキュメンタリーは反響が大きい企画になりました。ですが、フェイクとはいえ、9割は実際に起きたこと。その1つが、この鏡に女性の霊が入り込んだという妖しいハプニング。

神島での撮影中、降魔師の阿部さんは、ある女性の霊と出会います。名前は「おたつ」といって、数百年前に本土に実在した公家のお姫様だそうです。

戦禍に巻き込まれないよう神島に逃れてきたものの、生家からの連絡は途絶え、生活も苦しくなり、島民に身を売り出したおたつは、その後、島民に岬から突き落とされ亡くなります。その場所こそが、僕らが鏡を置いていたあの洞窟だというんです。

これは、阿部さんがおたつの霊から聞いた話ですが、神島には実際におたつに関する「おたつ女郎」という言い伝えが残っているので驚きました。

女性スタッフに配慮し、鏡の裏をこちらに向ける原田さん

女性スタッフに配慮し、鏡の裏をこちらに向ける原田さん


なんとかして、自分の故郷である本土に帰りたい。鏡のなかに入れば、本土に持ち帰ってもらえるのではないか。だから、彼女の怨霊は僕らが作った鏡のなかに入ったと阿部さんは話してくれました。

いま、この鏡は僕が保管しています。僕には霊感がないから大丈夫だろうというのが理由ですが、家に持ち帰って2年ほど経ちますが、いまのところ何も起きてません。おたつがその後、どうなったのかもわかりません。

今日、お話するために自宅から持ち出しましたけど、女の霊が入っているからか、女性は鏡を覗いてはダメだと阿部さんに言われています。だから、僕の妻にも娘にも見せたことはないんですよ。女性スタッフの方もくれぐれも覗き込まないでくださいね。


東北の廃ホテルと子供の足音、遺体が消えた須磨駅の人身事故、おたつ上臈の怨霊と鏡。バラエティに富んだエピソードが揃った今回のシリーズだったが、真冬に聞く怪談も悪くない。

次回まで原田さんがどんな心霊体験をするのか、楽しみに待とう。

新澤 遥=写真 ぎぎまき=取材・文

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