リーバイスとの距離を縮めた復刻「501XX」
中井さんにとっての久しぶりのリーバイス。それが、洋服好きの建築デザイナーの友人から譲り受けた「501XX」だ。
「おそらくこれは復刻版だと。シルエットや風合い、すべて気に入っていて、本当によくはいています。僕たちの仕事は常に汚れるリスクがある。
ただ僕はもちろんスタッフも、“汚れてもいいような服”を着て出勤することはないんです。好きな服を着て働いた方がモチベーションに繋がると思うんですよね。僕はだいたいこれをはいて店頭に立っていますね」。
中井さんにとってリーバイスは仕事着であり、やる気のスイッチ。日に日にその愛着は増してきているとか。
「30代に入って嗜好性が変わってきたなと。以前より、経年変化により生まれる“アジ”の良さを理解できるようになったんです。デニムはまさにそうで、はくごとに表面化していく変化へ愛を感じるようになりました。僕の場合、オンでもオフでもこのデニムをはくので、どんどん肌へと馴染むし、同時にライフスタイルにも馴染んでいく感覚があります」。
モノとしての魅力はもちろん、ブランドが紡いできた歴史の厚みも心惹かれる要因だとか。
「リーバイスは長い歴史とともに厚みのあるバックボーンを形成してきました。
それがアイテムにも現れているように思うんです。特に、150年以上も愛されてきた501からは、ブランドが積み重ねてきた思いやこだわりを感じられます。他のデニムにはない安心感や説得力があるんですよね。
古き佳きを知ることの大切さも、リーバイスが教えてくれたような気がします。
生花の作品も、トレンドっぽいものを作ろうと思えばいくらでできる。だけどそれでは薄っぺらい印象になってしまう。例えば西洋画をオマージュしたり、明確なコンセプトを定めたり、軸となる何かを設定する。知見を重ねてあらゆる引き出しを作っておくには、歴史を知ることが重要なんですよね」。
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