「疲れが取れない人」「朝起きられない人」はこの項目をチェック
【MCV】血液検査の一項目で「赤血球の大きさ」を表す値です。このMCVは鉄が足りないと小さくなります。ヘモグロビンなどの値が基準値内であってもMCVが小さいと「鉄」が不足している可能性があります。
拙著『サプリメントの正体』でも述べたことですが、鉄がないと食べたものをエネルギーに変換することができず、「朝起きられない」「どうも元気が出ない」「頭痛」「肩こり」「冷え」「イライラが止まらない」などさまざまな困った症状が出ます。特に生理のある女性は鉄不足に陥りやすいので気を付けてください。
またこのMCVは数値が高すぎるのも問題です。ビタミンB12や葉酸が不足することで正常な赤血球がつくれず、「巨赤芽球性貧血」になっている可能性があるからです。
ちなみにビタミンB12や葉酸は血管にダメージを与える物質「ホモシステイン」を処理するために欠かせない栄養素でもあります。また、遺伝子の部品である核酸や、神経伝達物質の生成など体内で必要な様々な物質の合成に深くかかわっています。血管や脳をはじめ、全身の臓器を健康に保つためにも適切な補給がおすすめです。
見逃しがちだけどチェックすべき項目
【総蛋白】見逃してしまいがちですが、ぜひチェックしてほしい項目です。
十分なタンパク質を摂っているかどうかを知る手掛かりとなります。これも『サプリメントの正体』で強調したことですが、タンパク質は体の土台を支えるもの。不足するとさまざまな不調の原因になります。
総蛋白が不足している場合は食生活のバランスを見直しましょう。
またタンパク質をしっかり取っていても胃腸の機能が落ちていて、しっかり消化吸収できない場合もあります。その場合は、胃腸の機能低下の原因を把握するために、医療機関に相談することをお勧めします。
【中性脂肪】中性脂肪もコレステロールと同じ、血中に含まれる脂質のことです。中性脂肪は私たちが活動するためのエネルギー源となりますが、摂り過ぎた分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。
中性脂肪は肥満の指標でもあるので、多くの方が気にされていると思います。しかしこれもまた高すぎるだけでなく、低すぎるのも問題です。ダイエットなどで過度の食事制限をしていたり、脂質を過剰にカットするなど、偏った食生活をしたりすると低くなります。
中性脂肪が低いとエネルギーが産生できず、疲れやすくなったり、寝ても回復できなかったりします。また冷えや免疫力低下、肌荒れなどの原因にもなります。まずは食事の見直しをすることが大事です。
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