1965年に誕生した国産初のダイバーズウォッチ。
その原点を現代に受け継ぐ王道の「1965 ダイバー」と、68年発売の、ハイビートムーブメント搭載のダイバーズにインスパイアされた革新の「1968 ダイバー」。
はたしてこの“65”と“68”は何が違うのか。そしてどちらをチョイスするべきか。徹底的に検証する。
絶対に後悔させない王道のダイバーズ
「メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージ SBDC197」2024年6月発売のヘリテージモデルの最新版、「1965 ダイバー」。3日間(約72時間)のロングパワーリザーブを搭載し、300m空気潜水用防水へ向上。ケースサイズやブレスレットも見直され、より実用的なダイバーズへと進化した。SSケース、40mm径、自動巻き。17万6000円/セイコー プロスペックス(セイコーウオッチ 0120-061-012)
これぞダイバーズウォッチの模範解答、と評すべき秀作だ。
「メカニカルダイバーズ 1965 ヘリテージ SBDC197 」(以下、「1965 ダイバー」)。セイコーが1965年に発売した国産初のダイバーズを祖とし、以来、世界中のダイバーや冒険家たちから厚い信頼を得てきたモデルの最新版である。
高い堅牢性と密閉性を誇るケース構造。暗所での優れた視認性を約束するルミブライト発光のインデックス。前作から進化を遂げた300m空気潜水用防水。
過酷な状況下での使用が想定されるダイバーズとしての必要条件を、パーフェクトに備えた一本なのである。
[1965 ORIGINAL]1965年に発売された国産初のダイバーズウォッチがこちら。1960年代当時の、南極地域観測隊の腕時計として採用。極地の過酷な環境下で使用されることで、そのタフネスを実証した。
まさにプロ仕様といえるこの「1965 ダイバー」だが、普段使いの腕時計としても実に優秀だ。
コンパクトなケースサイズとシンプルな色使いは、街の装いに自然に溶け込む。またそのラギッドな佇まいは、レザー、ニット、デニムといった我々好みの日常着と相性抜群である。
そしてぜひとも味わってほしいのが、手首に着けたときの気持ち良さ。しなやかに可動する新開発のブレスレットが、ストレスフリーの装着感をもたらしてくれる。
海によし、街によし。シーンを問わず活躍してくれる頼れる相棒、というわけだ。
セイコーが培ってきたダイバーズの歴史と哲学を継承し、半世紀以上にわたりたゆまぬ進化を続ける本作。絶対に後悔させない王道のダイバーズ、と明言したい。
[FEATURE]
①防水性能の向上
2020年発表の前作は200m空気潜水用防水。本作はよりダウンサイジングしながらも、圧巻の300m空気潜水用防水を実現。
②コンパクトになったケースサイズ
前作より横幅0.5mm、縦幅(ラグ幅)1.2mm、薄さ0.2mmコンパクトに。数字的には微差だが、ぐっとスマートな印象に仕上がっている。
③装着感の改善
ブレスレットのコマの幅を1.6mm小さくすることで、腕のカーブに沿うしなやかな可動を実現。ストレスフリーの装着感が味わえる。
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